個人情報:女性教諭、情報入りメモリー盗難 寒河江/山形
寒河江市立陵南中(伊藤宏校長)の40代の女性教諭が、車上荒らしに遭い、卒業生の個人情報が入ったUSBメモリーなどが盗まれていたことが12日分かった。個人情報入りのデータは原則学校外持ち出し禁止だが、教諭は無断で持ち出していた。
中学校によると、盗まれたのは、昨年担任した卒業生40人の成績や住所を記載した調査書が入ったUSBメモリーや1年生5クラス150人の小テストの点数を記載した名簿など。女性教諭は7日午後、帰宅中に寄った中山町のスーパーでUSBメモリーなどを入れたバッグを車内に置いたまま買い物に出て、車の鍵を壊されてバッグを盗まれたという。
鈴木正実教頭は「ご迷惑をかけ、大変申し訳ない。持ち出し禁止の指導の徹底などをしたい」と陳謝した。【前田洋平】
7月13日 毎日新聞山形版
この女性教諭にはまことにご同情申し上げる。本気で怒っている学校職員はどれだけいるだろう。おそらく、彼女にとって“自宅で仕事をすることは常態になっていた”はずであり、メモリーの持ち出し禁止という理屈は理解できたにしろ、およそ遵守できるはずもなかったのだ。
だが、かわいそうだけれどここは彼女への批判をきちんと残しておかなければ。どんな理屈で彼女を市教委や県教委が指弾するか、聞き耳を立てておこう。自宅での仕事が山ほどあるのが教員たちの宿命だとしたら、まずそちらをなんとかしなければならないのはもちろんだが、同時に情報漏洩にこれほどルーズな業界もない。指弾の向こうに、ちゃんとした解決策を用意できるのか。
くわえて、事務職員としては「個人情報満載の資料を校外に持ち出し、よその学校の、およそプライバシーが保てない部屋で端末入力を行う」ことがいかに異常かという理屈が、彼女への批判が有効だとしたら成立する。
知事部局では、機密レベルの高い情報は『部屋からも持ち出せない』ルールになっている。それを思えば、小中学校には個人情報などないに等しいと現在の端末状況は語っているではないか。
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