かつて「深夜の人たち」として深夜放送のDJを特集したとき、どうしても外せなかったのが近田春夫だ。オールナイトニッポンの2部(午前3時~5時)に登場した彼のパーソナリティは、他のDJたちと歴然と違っていた。
彼は現役のミュージシャンとして、自らの嗜好をむき出しにして見せたのである。筒美京平を絶賛し、洋楽から日本の作曲家たちがどれだけパクっているかを遠慮なしに暴露したのである。実は近田もそのあたりは意識的にやっちゃってたわけだけど(笑)。
以降、彼はバンドリーダーとして、ジューシー・フルーツやザ・ぼんちのプロデューサーとして、「タモリ俱楽部」などのコメンテーターとして活躍。と同時にポパイ誌上の「気分は歌謡曲」、週刊文春の「考えるヒット」などの著述家として、常にフロントランナーだった。
そんな彼の自伝が面白くないわけがない。
彼がどれだけマイナーなジャンルに向かっても、経済的に苦しむことがなかったのは、1000曲にも及ぶCM音楽によるものだったとは初めて知った。
ソックタッチ、セブンイレブン、ウォシュレット、爽健美茶などのCMはおなじみ。そしてそういうタイプの曲なら、彼はいくらでも書けると豪語する。
もちろんそれは、先述したように洋楽を“ヒントにする”職人技があるからであり、そのあたりはDJ時代とまったく変わっていないのでした。大好き。
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