事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

I Don't Want To Die PART3

2008-03-05 | 国際・政治

Saddamhussein PART2よりつづく。

 現在のイラク状況が、イスラムを信仰する日本で起きていたらどうなのかとSF風に仮定してみよう。

北東アジアの島国である日本、および近隣諸国は同じイスラム教信者の多い国で、同様に多民族の集合体である。教義の違いから衝突をくり返してきた。争いの背後には、ソ連とアメリカという大国の思惑があり、それは地下に眠る莫大な石油資源をいかにコントロールするかに常に影響されてきた。

日本の大統領はいろいろと問題の多い男で、国民を圧政の下におき、他国を侵略することもいとわず、ためにアメリカを中心とした多国籍軍にうち負かされ、経済状況を悪化させた過去をもっていた。
海峡をへだてた隣国は王制をしいており、その国の金持ちのボンボンが、何を血迷ったかアメリカの中枢にある高層ビルに旅客機を突っ込ませるという派手なテロを行った。いい気味だ、と敗戦の記憶がまだ鮮やかな日本の大統領は考える。ここまでは、まあ関係がなくはないにしろ、他人事だったのだ。

ところが。

200pxgeorgewbush 就任して1年たってもろくな成果もあげられず、前大統領時代には空前の好景気だった経済状況が下降の一途をたどっていたことにあせったアメリカの大統領
「これは戦争だ」
と強引に言いつのり、テロ組織をかばっているのではないかといちゃもんをつけ、北方の砂漠しかない国へ攻撃をしかけたのである。それどころか、「今度は日本だ。あそこには大量破壊兵器があるはずだ」と言いがかりをつけはじめた。

「おいちょっと待て。なに考えてんだ。どうして日本なんだ(Why Japan?)。……ん?ひょっとして最初から日本を狙ってたんじゃないだろうな」日本の大統領はいらつきながら考える。

実はそのとおりだったことが暴露され始めている。アメリカ大統領は、テロ事件よりも先に日本への攻撃を計画しており、その流れを変えるつもりは毛頭なかったのだ。空襲がはじまり(空爆、は意図的な誤訳)、日本の国土は蹂躙される。

日本国民も少しずつ考え始める。この戦争はおかしいんじゃないか。テロ云々で始まったはずで、大量破壊兵器を発見すればすむことなのに、どうしてここまで徹底的にボカスカ爆弾を落とされなければならないんだ?これって実はアメリカの日本侵略じゃないのか……かくて日本におけるアメリカへの反感は醸成され、穴の中に隠れていた日本の大統領が拘束されたあとも、アメリカ憎しの感情はおさえることができない。米軍への攻撃は、日本人にとって「レジスタンス」だ。

ここでひょっこり顔を出してきたのが、遠い西アジアの果てから「人道支援」という名目でやってきたイラク軍(自国ではセルフ・ディフェンス・フォースを名のっているらしい。自衛軍、とでも訳すか。自衛のためでない軍などお目にかかったことはないが)。この国はアメリカといつもつるんでいるが、キリスト教国(ま、十字軍みたいな自意識)ではないことと石油取引などで日本とは悪くない関係を続けてきた。しかしファナティックにして外交音痴なイラク首相は、アメリカ以外の国々が日本攻撃から次第に手を引いているにもかかわらず、アメリカの要請にただ一国「はーい!」と手を挙げてやってきたのである。くどいようだが、人道支援で。

Koizumi03 しかし日本国民にしてみれば、アメリカの戦車といっしょにやってきて「ボクたちは攻撃に来たんじゃないんです。ジンドーシエンですから」言ってるそばから爆弾はドカンドカン落ちているわけで、こんな理屈が通るはずがない。イラク国民はひょっとしてこの出来の悪いファンタジーを信じているのか?
次第に悪化する対イラク感情を背景に、ちょうどNGOとして来日していた若僧を、レジスタンスたちは見せしめに……

……国内問題じゃなくて国際問題なのに、一向にその方向で語る風潮が見えないので、いっちょイラクと日本をひっくり返してみました。日本に空襲をしかけてくる多国籍軍、という観点からみれば、帯同する自衛隊がどんな存在にみえるのか、少しでも感じてもらえればと。

PART4へつづく。

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