第二十三話「会津を救え」はこちら。
前回の視聴率は15.0%。おや、持ち直している。みんな悲劇が好きなんだろうか。しかし今週の展開は……
隣で見ていた妻は号泣。尚之助と旅をする途中で、八重の銃の腕前に驚愕した少年たちが次々に死んでいく。しかもその手には八重から贈られたダルマが。撃つときに眼を閉じないようにとのダルマをにぎった八重は、今度も死にゆく少年に「眼を開けなんしょ」と泣きながら……
うわあ。こりゃ確かにたまらないですね。このシーンのために山本脚本は撒き餌を周到にしこんでいたわけだ。
周到と言えば、今回はフクシマを応援するコンセプトがむき出しになっている。薩摩藩の牢で、必死に建白書を口述するあんつぁま。しかし番人によってあっさり破られてしまう。
「会津は、どげなるんでしょう」
と絶望する助手?に覚馬は言い放つ。
「初めからだ」
建白書を書き直すことと、フクシマ復興のダブルミーニング。土方歳三(村上淳)と斎藤一(kj)が会津へのシンパシーを語る場面もよかった。
内戦とはむごいものだということを、この二本松の悲劇と白虎隊自刃は教えてくれる。しかしこうまでして会津はどうして幕府に殉ずるのだろう。
今さらですけど、わたしは本屋大賞をとった「天地明察」を読んでちょっと了解。藩祖である保科正之は、藩そのものを幕府の捨て石となるべくレールを敷いていたんだね。養子として、そのルールを過剰に遵守しなければならない容保としては致し方のないところだったか。
その容保の子孫がいまNHKで重役をやっているそうなので、容保の扱いは慎重にならざるを得ないですかやっぱり。
逆に、西郷頼母(西田敏行)がちょっとわからない。彼の言う恭順や停戦は確かに正論だけれど、それが通ずる地点にはもはやない。停戦に持ちこむためには、彼が総大将だった白河の戦いで、ある程度の戦果をあげなければならなかったはず。それなのに会津にもどって「もっと大砲を」では、家老たちがムッとくるのも無理はない。家族が「西郷頼母の名を汚すようなことは」と宣言する撒き餌があるので、彼をあくまで“いい人”にしなければならないのでしょうが。
国盗り合戦のおもむきと悲劇が融合してかなり見せる回。視聴率は15%台後半と読みました。
第二十五話「白虎隊出陣」につづく。だから出陣させちゃだめだってー。
切ない話である(涙)
。
【参照記事】
二本松少年隊は凄い。というか【二本松藩の勇戦振り】には文句も出ない。あの薩摩の名将野津道貫は二本松藩士の戦い振りを激賞して居るし【二本松戊辰少年隊記】で書かれている射撃戦も素晴らしい。惜しむらくは兵力が異常に少なく、折角の腕前も数の力で消えてしまっている事だろうか。
因みにドラマでも描かれていたが、官軍の隊長が少年兵に襲われ命を落とすが、この隊長は死ぬ直前に「この様な少年に討たれるのは本望だ。(二本松の少年も)重傷の様だから労ってやれ。」と命じた逸話は地元に伝わっていて【二本松藩史】にも登場する有名な話である。
二本松少年隊の戦い
http://www10.plala.or.jp/yageki/nihonmatu.htm
こんな嘆願書を出しては【会津は本気で消滅させられると!】
しかも会津藩としては実際【嘆願書は2回しか】出しておらず、其の上に【謹慎恭順】をして居なければならないのに北越方面で蠢いたり、北関東で蠢動して、其れが悉く【新政府の情報網】に掛かって居る様ではお粗末過ぎます(泣)。
本気で恭順の意思があれば、領内に入ろうとする旧幕府軍を叩き出す位の姿勢を見せないといけないんですが。
非情な様ですが其れが政治です。
松平春嶽ってのもよくわからない人で、彼が理想とした
賢人政治には、もしもわたしが“当時の人”だったら
魅力的に思えて一票を投じたかも(明治なら完璧に
投票権のない貧乏人だろうけれども)。