原田知世は、日本の芸能界において特別な位置を占めている。近年、1~2年に一本のペースの映画出演しか活動がない割には現役感バリバリだ。AGFなどのCM出演も、身過ぎ世過ぎのために、といった感じはなくて、むしろ『出てくれている』というありがた感があるのだ。まあこれはわたしが彼女のファンであることが大きいのだろうけれど、少なくとも彼女が“うまく年齢を重ねている”ことにはファンならずとも賛成していただけるのではないだろうか。杉村春子、山田五十鈴、吉永小百合、森光子の四人をわたしは【年齢を感じさせない四天王】だと勝手に断定しているが、知世はあんな化け物たち(笑)ほどではないにしろ、知世は知世のままで美しくあり続けている。
ご存じのように彼女のデビューは角川関連。名作「時をかける少女」(大林宣彦)で人気が爆発。それまで大作路線を突っ走っていた角川春樹はあの愚作「復活の日」(深作欣二)で大赤字を出し、路線をアイドル映画に切りかえた初戦が「探偵物語」(根岸吉太郎)と「時かけ」二本立てだったのだ。製作費が安いところへもってきて28億もの配給収入。今の興行収入換算だと60億近い大ヒット。のちのビデオ、DVD等の売り上げを考えれば、これは本当にうまい商売だった。
以降、角川の自前のアイドルである知世は、角川春樹のために出演を続ける。春樹の気持ちの中に、彼女にたいする何らかの思いがあったのではないかとの噂は前からあったけれど(実はオーディションでは知世は落選していて、それを強引に特別賞扱いしたのは角川春樹だった)、ファンとしては「春樹、お前もか」と正直思う。永遠の“妹”である彼女には、何かしら庇護したいと思わせる部分が確かにある。世間ではそれをロリコンと呼んだりするんだけれどね。
でもそういう欲求と無縁な人、たとえば漫画家のいしかわじゅんなど「(知世は)鼻の大きな子どもにしか見えない」と作品(「フロムK」)で語ったりしている。ファンであるわたしは怒るより先に「あ、そういう見方って確かにあるよな」と感心。つまり知世のファンは内心「オレだけが彼女の魅力に気づいている」とみんなが思っているのであり、そんなファンがこれだけ長いこと支持し続けていることこそが最大の特徴なのだと思う。彼女にとっては、いい迷惑な話であろう(* ̄▽ ̄*)/。
※今回は映画の話ばかりになったけれど、彼女はシンガーとしても最高。「雨のプラネタリウム」「彼と彼女のソネット」は必聴。泣けます。
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