PART1はこちら。
設定は突拍子もない。
ホストとして軽~く生きている金髪青年が、不慮の事故で脳を負傷する。手術後の彼は、脳科学者として才能を発揮するようになっている……脳それ自体がまだまだ現代科学でも解明されておらず、しかも脳のほとんどが使用されていないことだけはみんな知っているので、そりゃ、こんなこともあるだろうと納得はする。なにしろキムタクが演じているので、なんでもありなキャラもOK。
「漢数字の九十九と書いて、ツクモといいます」
名前は九十九龍介。ハジメじゃなくてよかったですね(お若い方にはわかりづらいか)。彼は脳が発達したと同時に美的感覚がずれてしまっており、いわゆる美人よりも、美的に不自由な方々に魅かれるようになっている。みんな一斉に「岩鬼かお前は!」と突っ込んだでしょう?
そんな彼が、科学警察研究所に配属される。まずここで、ちょっとくらっと来る。確かにハイテクを希求する組織なのだから未来的インテリアなのは致し方ない。でもここまでやるか。
1億円だかをかけてつくったセットは確かにみごとだけれど、ドラマを醸成する場になっていないのである。妙に広々としすぎていて、演出もしどころがないみたいだ。確か「ラブジェネレーション」のときの広告代理店のセットがあまりにもチャチで気が遠くなったのと逆のパターン。
用語がむずかしいし、脳科学は専門的すぎるから、アニメキャラで解説を入れた気持ちもわからなくはない。月9や日曜劇場と違い、8時スタートのドラマは視聴者がまだ落ち着いていないので、過剰ともいえるわかりやすさは必然だったとも……でもね、でもこのドラマの内容とオンエアの時間帯は絶対にミスマッチだったと思う。これはどうしても9時オンエアにすべきだったのだ。編成が、まず失敗している。そして……以下次号。
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