のっけから、二百三高地の激戦。兵士を消耗品のように犠牲にして、ようやく勝った日露戦争最大の、というか最悪の戦いだ。乃木希典という人物の軍才が……あ、やめておきましょう。神様にたてついてもいいことはなさそう。
その戦いで、主人公の杉元は顔に傷を負うなどするが、不思議と回復が速いので(なにかの伏線なのだろうか)不死身の杉元として名を馳せる……
大ベストセラーの原作コミックもアニメも見ていないのでえらいことは言えませんが、この映画、やたらに面白いですよね。公開から1ヶ月近くたつけれども、客席にはまだまだ多くの人たちがつめかけている。しかも男女とも、全年齢的に。これは強い。
「最初はどうなることかと思ったけど、玉木宏の頭から汁がたれてくるあたりから面白くなってきたわ」
うちの奥さんは変わってるなあ。
まあ、わたしは最初、あの敵役が玉木だとわからなくて、ようやく特徴的な声で気づいたくらい、壮絶なメイク。これは他のキャストにも言えて、井浦新だって最初はよくわかりませんでした。
土方歳三(舘ひろし)が箱館戦争を生き延びた設定なのもうれしい。木場克己の永倉新八とからむなど、渋い。
主役の山崎賢人は、アニメの実写化ならまかせとけとばかりに弾けている。実はけっこう暗いお話なのに、陽性な彼のおかげで画面がはずむ。「キングダム」と「ゴールデンカムイ」のどっちも主役というのはたいそうきついだろうと思いますが。
そしてこの映画をきっちり娯楽作として成功させたのは、脚本の黒岩勉のお手柄だと思います。ああこの人も「キングダム」とのかけもちか。これからご苦労様です。
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