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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

黒船(シネコン)来襲

2007-10-30 | 映画

In4 (2001年)8月11日、ついに庄内にもシネマコンプレックス(複合上映施設、だっけか)が開館した。売場面積東北最大級(級、があやしい)を誇るジャスコグループのフラッグシップ、イオン三川ショッピングセンター2階の「aeoncinema(イオンシネマ)三川」がそれ。

 7スクリーン、総座席数1692。音響はドルビーデジタルだのSDDSだの、加えてどの座席からも死角にならない大画面、快適で大きなシート、障害者用の席も確保したバリアフリー、会員になれば点数がたまっていろいろもらえる(らしい。まだポップコーンしかゲットしていないので)マイレージ商法、売場面積に比例した広大な駐車場……黙っていても客がやってきた映画の黄金時代から、ほとんど企業努力をしてこなかった旧弊な興行界にとっては、黒船の名に恥じないモンスターだろう。

 最初のシネコンは、確か神奈川の海老名に、それこそ黒船らしく米資本ワーナーとマイカル(旧ニチイ)が組んで作ったものだが、それこそアッという間に全国に広がり、イオンのような国産のシネコンも数多い。おかげで年々減少を続けていたスクリーン数も増加に転じ、「タイタニック」や「もののけ姫」等のヒットもあって観客動員も上向いた……のはいいのだけれど息が続かず、去年はまた減少してしまっている。昔は10万人以上の人口がなければ映画館が維持できない、と言われていたものが、空白域だった米沢でもワーナー・マイカルが健闘しているように、シネコンという形態は映画から遠ざかりつつあった日本人を再び劇場へ呼び戻してくれたのだ。ああそれなのに、肝心のソフトが追いつかないとは……。

In1  でもまあ、今年は史上空前の夏興行。どんな映画もそこそこに客は入ったわけなので、とりあえず映画産業は息をついているのだろう。しかしこんなことはそうは続くわけないし、シネコンのもう一つの側面“ヒットする映画はどんどん大きなスクリーンで高回転させて動員が加速し、当たらない映画はどんどん片隅に追いやる”が助長する二極化構造に映画界は耐えなければならないのだ。大変だなあ。当たりそうもない映画もどんどん観に行ってやらなくては……って俺はいいカモだよホントに。

例月給与報告、という名で学校を飛び出し、とっとと映画館へ消える不良公務員である私にとって、シネコンが庄内総合支庁のそばに出来るというのは福音以外の何ものでもない。なにかの罠?と思うぐらい。酒田の審査割当が午前中であろうがどうしようが私の学校出発時刻は午後2時半。これは動かせない。

で、はじめてイオンショッピングセンターに入った印象はというと……ベネトンやらコムサがテナントで入っていても、やっぱりここは東田川郡三川町だなと(笑)。平日の午後のここは、田舎臭い女子高生やらくたびれた中年男(俺だ俺)しか見当たらないのである。まあ、その数がひたすら多いというだけで。

さて、実は私、シネコンは初体験ではない。札幌に近所の連中と(百姓のツアーで)出かけたときに、UCIという、これも米資本のシネコンに入ったことがあるのだ。もちろん一人で。他の連中はススキノですんごいことになってましたが(年明けにまた行くことになっているので、詳細をお届けできることと思います。今から不安で胸が……高鳴っている)。でもシネコン体験としてほとんど参考にならないのは、この時観たのがアイマックスシアターにおける「ファンタジア2000」だったから。視界の全てが画面になる、この巨大な上映方式に圧倒され、シネコン云々どころの騒ぎではなかったのである。正直言うと、ちょっと吐き気まで。

2203 おまけに、私はこのときエライ恥をかいている。
予想と違ってほとんど新作になっていたファンタジア(旧作がディズニーの最高傑作であることは疑いない。誰も言わないが、新作の「火の鳥」のシークェンスはナウシカのパクリだよな)に感動した私は、こりゃあパンフも買わなきゃ、と売店のお兄ちゃんに声をかけた。
「はい?……パンフですか?ファンタジアの。ちょ、ちょっと待って下さいね。」お兄ちゃんアタフタと奥に駆けていく。何か悪いことでも言っただろうか。ディスプレイには結構な厚みのパンフが飾ってある。値段をみると980円。パンフも高くなったものだ。
 お兄ちゃん戻ってきて、厳重に保管され、きれいにラッピングされたパンフを奥の棚から出してくる。
「お待たせしました。ファンタジアアートブック、9800円になります。」
「え。」
きゅーせんはっぴゃくえん。」
「……すいません、ギブアップします……。」
かように私のシネコン初体験は苦いものだったのである。

 で、イオンシネマ。ひとつ私にはそぐわない方式をとっている。全席指定、というヤツ。自分の前に人の頭が入り込むことを極端に嫌う私は、とにかく前の方に座るというガキのような性癖を持っている。自分の頭が誰よりも大きいのに迷惑な話だが。でも受付のおねえちゃんに「一番前の席をお願いします!」とリクエストするほどの根性もなかったので、その結果、まあ一番好条件の席ということになっている中央に陣取ることになる。でも、指定されたその席の隣には、ポップコーンをほおばった30がらみのデブ男が既に座っており、結果的にいい年こいたデブ二人が仲良く並んでカンフー映画を眺めることになったのだった。なさけねー。

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