事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アイリッシュマン」The Irishman (2019 Netflix)

2020-02-22 | 洋画

ロバート・デ・ニーロが画面にいれば、それだけで絵がもつような気がする。

アル・パチーノにも同じ感触がある。

あろうことかこの映画にはロバート・デ・ニーロとアル・パチーノがたっぷりとつまっていて、そこにジョー・ペシハーヴェイ・カイテルがからんでくるのだ。なんてぜいたくな。

話題のNetflix作品。劇場公開よりもネット配信が主流である会社の作品を“映画”と認めていいのか、という議論はまだかまびすしい。

たとえばスピルバーグは完全否定派だけれども、去年の「ROMA」や、今年のこの「アイリッシュマン」や「2人のローマ教皇」のアカデミー賞における健闘を考えると、どうも先行きは不透明。

なぜNetflixがこれだけ上質の作品を提供し続けられるのか。これはもう、資金が潤沢だからにほかならない。会員数がうなぎのぼりである現状と、質の高いコンテンツを提供して他の業者を蹴散らす戦略がうまく融合したわけだ(そう単純な話でもなかったことはまもなく特集します)。

実は「アイリッシュマン」の企画はパラマウントが権利を持っていたのに、高額の製作費におそれをなしてギブアップ。そこへ1億ドル以上の金を用意したのがNetflixという経緯。現状をこれほど象徴する事態もない。監督のマーティン・スコセッシも複雑な思いでいたかもしれない。

しかし作品の出来はおみごと。マフィアの汚れ仕事を淡々とこなすアイルランド人に現代史をからめ、知人の娘の披露宴に出席する(そして妻たちがタバコを吸うたびに休憩する)のんびりしたロードムービーのなかに数々の暗殺が挿入される。巧妙な緩急、圧倒的なユーモア。やるもんだ。

老人ホームのなかで来し方をふりかえるロバート・デ・ニーロ(だから彼が凄惨な抗争を生き延びたことは最初から提示されている)が、しかしもっとも希求した娘の愛だけは勝ち取ることができなかったという結末も渋い。

なんと娘を演じたのはアンナ・パキン。「ピアノ・レッスン」の、あの子役です。どこまでぜいたくなんだっ!


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