20世紀初頭、シチリアのコルレオーネ村でひとりの男がマフィアに反逆したために殺される。その葬儀の最中に、復讐しようとした長男も射殺され、母親はマフィアに次男をつれて慈悲を乞う。
「この子は弱虫なんです。あなたに復讐などできるはずがありません」
「大人になれば強くなる。」まさしく。
母はマフィアにナイフをかざして次男を逃がし、自らは射殺される。移民船でニューヨークにたどり着いたその子どもは、移民審査で名前を訊かれるが英語が理解できず、名札にあった「ヴィト・アンドリオーニ。コルレオーネ村より」から、ヴィト・コルレオーネを名のることになる。天然痘の疑いがあったため、3ヶ月間隔離されることとなり、病室で彼は故郷の歌を口ずさむ……この時点で観客は初めてヴィトの声を聴くことになるのだ。
そして孤独な彼に、ヴィトの三男であるマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の息子アンソニーの初聖体式におけるきらびやかな姿がかぶる。
「ゴッドファーザーPARTⅡ」は全篇にわたってこのような世代の対比が行われている。若きヴィトが次第に顔役として勢力を増していく状況と、巨大なファミリーを維持するために苦悩するマイケル。常に夫を信じて生きてきたヴィトの妻と、夫を憎悪し、離れていくマイケルの妻ケイ(ダイアン・キートン)。
とにかくゴードン・ウィリスの撮影した画面にため息が出る。アメリカ的なるものと、イタリア的なるものの混合を、むき出しのまま提示。ワイン、パスタ、そして血の赤、レイク・タホの水辺で行われるパーティの美しさと、同じ場所で行われる哀しい殺人の冷たさ。
PART1で見られたように、惨劇の前後には例外なく宗教的意匠が用意され、その哀しみを倍加させている。
義兄弟である弁護士トム・ヘイゲン(ロバート・デュバル)の冷静さと、イタリア人の誇りのためにある決断をするペンタンジェリ(マイケル・V・ガッツォ)がつくづくと味があり、ゴッドファーザーサガを背負って立つアル・パチーノと、若きヴィトを清新に演じたロバート・デ・ニーロまでそろえて、役者見てるだけでもお腹いっぱいだっ!必見!
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