その2はこちら。
旧作「ポセイドン・アドベンチャー」の魅力は大きく分けてふたつあった。
・豪華客船が大波をうけて、文字通り天地がひっくり返ってしまった設定から、画面すべてが異世界のように見える効果。
・避難するグループを率いる牧師(この設定も効いていた)の強引さが多くの命を救うのだが、観客を納得させるためにこの牧師を結果的に死亡させる周到さ。そして、一見足手まといに思えた太った婦人(シェリー・ウィンタースが泣かせる)が、実は水泳の名手であるために一行を救う感動の場面など、ドラマとしてよくできていたこと。
……新作はどうだったろうか。設定はほぼ前作を踏襲しているのだけれど、微妙な変更は加えられている。ジーン・ハックマンが演じた強引な牧師は、今回カート・ラッセルが「娘の生活につい干渉してしまう消防士出身の元市長」になっている。もちろん予想どおり彼は自己犠牲の精神を発揮して死んでしまうのだが、前作同様「こいつは死んでも仕方ないかなあ」と観客に思わせるあたりの計算はうまくいっている。彼の娘を演じるのはエイミー・ロッサム。旧作のパメラ・スー・マーティン(検索したらすんごいヌードを披露していました。ちょっと哀しい)に劣らずかわいいです。
よかったのはここまでだ。もう少しなんとかならなかったのかという部分がありまくりなのである。
・旧作は、海底地震に加えて船主の横暴のために重心が高いまま航行しなければならなかったという伏線があったのに、今回は単なる異常大波。科学的に実証できる大波らしいので、その背景ぐらいは語ってほしかった。
・“天地がひっくり返っている”というせっかくの設定が全然活かされていない。トイレが上にある画面一発で観客を驚かせた旧作の山っ気が感じられない。
・ペーターゼンの作風は、ひとことで言って“下品”である。良くも悪しくも。今回も女優の濡れ姿をいやらしく描いていて嬉しいことは嬉しいのだが、語り口にコクがないのは痛い。旧作の主題歌「モーニング・アフター」が新作ではこってり味の「Won’t Let You Fall」(意味深ですな)に変わったように、緩急もためもなく、ひたすら突っ走った感じ。
・リチャード・ドレイファスが元気な姿を見せていてうれしい。でもその老紳士がなぜにゲイでなければならない?政治的に正しくなければならない現代だからこその設定なのだろうか。普通の“老いへの諦観”では観客を納得させられないのか?
……あの名作と比べてはかわいそうかもしれない。でも、オープニングタイトルに故アーウィン・アレンの名を見つけ、パニック映画に胸をときめかせたあの頃を思い出したわたしとしては、このくらいは言わせてもらわなきゃ。
トラウマ作品でしたが、両主役のかっこよさと本物の火の恐ろしさと、諸々の迫力シーンに、圧倒されました。
「ポセイドン」はよりトラウマなのですが、
太った女性のシーン印象に残っています。
凄く頑張っていましたよね(>_<)
「タワーリング」の方の太った女性は、
体重が救助の妨げになるんじゃないかと
ハラハラしました。
女性が(笑)
わたしはポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンの
コンビもいいけど、フェイ・ダナウェイのスカーフがたなびくシーンが好きでした。