2024年7月号「あからさま」はこちら。
それにしても先月の雨には驚きました。次第に被害の全容がわかってきましたが、被災された方々にはお見舞い申し上げます。
あの雨がどれだけすごかったかというと
・日降水量 288mm
・日最大10分間降水量 24.5mm
・日最大1時間降水量 86.0mm
いずれも観測史上最大。24時間降水量にいたっては289.0mmでもちろん1位。2位は2011年8月18日の179.0mmですからダントツだったわけです。
業者のなかには荒瀬川沿いに住んでいる人がいて、もちろん避難。最初は八幡小学校、つづいて一條小学校、そして一條コミュニティセンターに移動させられたとか。
「死ぬかと思いました」
「それにしたってほとんど死者が出なかったのはよかったな」
亡くなった人たちには悪いけど。
「あれはね、みんなちゃんと逃げたからです」
なるほど。
あれ以来、他人事に近かった線状降水帯という言葉がいっきに身近に。天気予報でこのフレーズが出ると、ああたいへんだなあとみんなが嘆息するようになりました。
◇
さて、この話が初任者研修の一環なのは、特別休暇を特集するからです。
今回のような大雨のときは、「災害」と区分された特別休暇が適用されます。事由は
「風水震火災、天災地変等により職員の現住所が滅失、破壊した場合」
となっています。また非常災害により交通が遮断された時も適用されます。まあ、物理的に出勤できないわけですから当然ですが。
天災関連では、派生してボランティア休暇もあります。お役所言葉ですみませんが
「職員が自発的に、かつ、報酬を得ないで次に掲げる社会に貢献する活動(専ら親族に対する支援となる活動を除く)を行う場合」
として
「地震、暴風雨、噴火等より相当規模の災害が発生した被災地又はその周辺の地域における生活関連物資の配布その他の被災者を支援する活動」
として1年度内に5日間までとることができます。そして出勤簿にはその他という印を事務職員が押します。
◇
実はこのその他という印は、ほとんどの人たちの出勤簿に押されます。いわゆる夏季特休。これも解説すれば
「職員が夏季における盆等の諸行事、心身の健康の維持及び増進又は家庭生活の充実のため勤務しないことが相当であると認められる場合」
で、6日間だと。実はこの特別休暇にはダークな過去があるんですけど、初任者研修で解説するわけにもいかない。小一時間ほど語ってみたいところですが。
画像は「銀河鉄道の父」(2023 キノフィルムズ)
原作:門井慶喜 主演:役所広司 菅田将暉
およそ国語の教科書に載ったなかでもっとも暗いお話は、わたしにとっては宮沢賢治の「永訣の朝」。死にゆく妹が「あめゆじゆとてちてけんじや(雨雪を取ってきてください、賢治や)」とリクエスト。この映画は、あれを忠実に描いています。ううう泣いた泣いた。
2024年9月号PART1「児童手当改正」につづく。