しまったあ、と素直に後悔。これ、確実に映画館で観るべき作品でした。ハリポタのスピンオフという器を超えて、映画としてとにかく面白い。
どうしてスルーしてしまったかはよく覚えている。結局のところ学園ドラマだったハリー・ポッターに息苦しさを感じていたのは確かだし、ヴォルデモートの邪悪さに辟易してもいたの。そんなにガキいじめんなよ。あのシリーズが娯楽映画として一級品であることを認めるにやぶさかではないんですが。
加えて、この映画のポスターに出てくる俳優たちに、なんか魅力が感じられなかったのよね……とんでもありませんでした。その俳優たちの魅力こそがこの作品の最大の取り柄だったのだ。
すっとぼけた主人公(彼はほとんど表情を動かさない。そのくせ「ぼくはみんなをいらつかせる」と自己認識しているあたりがおかしい)に、「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士を演じてオスカーをとったエディ・レッドメイン。彼のとまどいはまさしくイングリッシュマン・イン・ニューヨーク。
「エイリアン:コヴェナント」でのヒロインっぷりと真逆に、ちょっと弱気な魔法議会職員を演じたキャサリン・ウォーターストンは、名前とルックスからわかるようにサム・ウォーターストンの娘。
息子を虐待するファナティックな母親は「マイノリティ・リポート」などで大好きなサマンサ・モートン。CGよりも素の顔のほうがよほどエキセントリックな(失礼)、ロン・パールマン、そしてコリーン・ファレルと“あの人”が加わる。素晴らしいアンサンブル。
でもなんといってもこの映画の主役は大恐慌直前のニューヨークだ。
ジャズ・エイジと呼ばれる狂躁に包まれた街を、魔法使いたちは破壊し、そして再建する。ポケモンGO!よろしくビーストをコレクトしながら。くわえて、往時のハリウッドコメディのようなハートウォーミングなラブストーリーをミックスして、面白くならないわけがない。ほんと、マジで映画館で観るんだったなあ。
「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」につづく。
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