Vol.05「ホリスター将軍のコレクション」はこちら。
「刑事コロンボ」は、犯人の行動を最初から視聴者にさらすという“倒叙もの”というジャンル。だから謎があるとすれば“コロンボがどうやって犯人をひっかけるか”だ。今回はその典型。
犯人は著名な美術評論家(ロス・マーティン)。裕福な叔父は絵画のコレクターとしても知られている。その絵画が自分ではなく、叔父の前妻に遺されると知った彼は、前妻を犯人に仕立てて叔父を射殺する。親戚に金持ちがいるとろくなことがないです。
彼の犯罪は小細工だらけだ。
・射殺した叔父に電気毛布をかけて死亡推定時刻をうしろにずらし
・アリバイづくりのためにパーティに出席し、時計が狂っていることを強調して何人かに時間をたずねる。
……あれ?どうして彼はドガの水彩画をわざわざ額から外して(原題はSuitable for Flaming)まで盗まれたように偽装したんだっけ。保険金のためだったかなあ(“あのラスト”を思いついてしまった作者の企みのためだろう)。そしてそれらの小細工はコロンボのためにことごとくひっくり返される。これもまた、このシリーズのお約束だ。
気鋭の、歯に衣着せぬ評論家という設定なので、コロンボのツッコミに犯人はことごとく達者な言い訳を返す。その気質を見抜いたコロンボは、ラストであるトリックを用意する……
よく考えると絵に○○○○の○○がついていたのは偶然の産物。しかし、映像だとその見事さが際立つので視聴者は否応なく納得させられるのでした。キム・ハンター(「猿の惑星」のジーラです)が無邪気な前妻を演じている。素顔を初めて見た(^o^)。
Vol.07「もう一つの鍵」につづく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます