アメリカの田舎町で育つ、ユダヤ系の少年。映画に魅せられ、差別にめげながらも映画によって救われていく……
スティーブン・スピルバーグの自伝的作品。彼の映画に刻印されている、スモールタウンの風景、父の不在などがやはり描かれている。
とにかくドラマのテンポがすばらしい。もちろんそれは監督スピルバーグ、撮影ヤヌス・カミンスキー、音楽ジョン・ウィリアムスという鉄壁のチームだから当然のことなのだろうが。映画という芸術に愛された人たちにしかできないですきっと。
現代の映画界で、このリズムを体得している筆頭は、スピルバーグとクリントイーストウッドだ。
その少年サミーは、高校を出て撮影所に仕事を求めに行く。そして、ある巨匠に会えることになる。彼の部屋に入ったサミーは呆然とする。壁には、その巨匠が撮った作品のポスターが貼られている。「駅馬車」「三人の名付け親」「捜索者」「怒りの葡萄」……そう、その巨匠とはジョン・フォードのことだったのだ。
そんな彼を演じているのは……ええええデイヴィッド・リンチなの!?「ツインピークス」「エレファントマン」の監督ですよっ。確かに、フォードに少し似てはいる。
まあ、よく考えたらスピルバーグは「未知との遭遇」ではフランソワ・トリュフォーを科学者役に起用した過去もあるしね(宮崎駿は庵野秀明を「風立ちぬ」で主役に起用している)。
さて、そんなフォードは、サミーに映画づくりのコツをひとつ伝授してくれる。そのコツがラストで……
映画ファンなら思わす唸るラスト。さすがだスピルバーグ。
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