その37「廃墟に乞う」はこちら。
田丸警視総監(品川徹)、長谷川副総監(國村隼)をはじめとした警察幹部12名が、警視庁本部内で人質に取られる事件が発生する。偶然にも犯人と遭遇した神戸尊(及川光博)とその連絡を受けた杉下右京(水谷豊)の特命係の二人は独自に情報収集を進め、籠城犯が元警視庁刑事の八重樫(小澤征悦)だという事実を突き止める。
鶴岡まちキネで「オーケストラ!」を観ようと思っていたのに、新年一発目のラーメンを「満び」で食べたのが間違いだった。オーダーしてから食べ終えるまでに一時間もかかってしまいました(T_T)。ここはしかしなー。まだおなかいっぱいだし。結局間に合わねー。
次善の策として三川にもどり、さーてイオンシネマでなんか面白そうなのをやってないか……あ、「相棒」の劇場版二作目がちょうどいい。まあ観てみようかな。
そう、お察しのようにわたしはこの映画にほとんど期待していなかったの。一作目は“たまたま”出来がよかっただけで、きっとまたテレビ朝日の刑事ドラマっぽく湿っぽい解決になるんだろうな、と。
またしても不明を恥じます。こう来たかぁ。
いや、メインのストーリーはいかにもテレ朝。警視庁の定例部長会議にテロリストが乱入。そのテロリストは、しかし何の要求も出してこない。実は彼のねらいは一種の復讐にあり、その復讐の完遂を阻むのが水谷豊とベッシー及川光博の相棒コンビ(言い方変だけど)。ところが、この映画はそのあたりを終盤で二回くらいひっくり返すのである。
警視庁が職員4万人以上をかかえ、東京都警察本部のはずなのになぜか警視庁(英語ではMetropolitan Police Department)を名のる尊大な組織なのは前にも特集しました。今回は、警視庁だけ公安が“部”として独立しているあたりの事情が裏にからんでくる(他の道府県警察では警備部のなかにあるのに)。
警察学校同期生の結びつき、公安マター(事案)にされると刑事部は手を出せない、警察庁と警視庁の微妙な関係(空撮でその位置関係が示されるのがうまい。盗聴の範囲内なのね)など、日本の警察がはらむ特徴が如実に示される。
岸部一徳が演ずる警察庁官房長はこう語る。
「絶対的な正義なんてもんがホントにあると思ってるの?正義の定義なんて立ち位置によって変わるもんでしょ?」
そうなのだ。杉下右京だけでなく、観客もこのセリフの重みを感じ取れるはずだし、右京が示す絶対的な正義へのやみくもな志向に、わたしたちがちょっと不安をいだくあたり、「おお」とうなった。
それに、岸部が語る警察の未来像は、圧倒的な説得力をもってわたしたちに迫る。警察が自家撞着に陥っている現状を、確かにそれなら解決できるかもしれないし、他の官庁のようにキャリアのありようも変わらざるをえないではないか。
どうしてもネタバレになっちゃうけれど、この映画では予想外の人物が死ぬ。最後にこの人物が語るセリフは、シリーズの昔からのファンなら落涙必至。
その警察葬は、「踊る大捜査線」の青島刑事が負傷したときに湾岸署の職員が敬礼で見送ったのとはまったく違った苦みがある。こんな“桜田門内の変”をクールに描ける器があったという意味で、「相棒」はすばらしい。
観客が動揺するラストで「相棒」というタイトルをドン!と提示し、亡くなったその人物と杉下右京のふたりを映し出して、誰と誰が真のバディだったのかが見えてくる仕組み。まいりました。
その39「函館水上警察」につづく。
ないかな。また変なスピンオフをやらなきゃいいけれど。
満びは日出町のセブンイレブンの裏あたり。
オーダーしてから出てくるまでがそれはもう長くて長くて。
酒田人としてはしんどかったっす。
でもあの量はすごいんだよなぁ。
料金先払いなのでお気をつけて。
しらなんだ。
帰ると、行くラーメン屋さんは友達のとこばっかなもんで、新しいとこも開拓せねば。
それなりに楽しみました。
40年来の豊ファンとしては、見ねばねえ。
課の名称のめんどくささにちと辟易でしたが、続きもありそう。でも続きはTVでなんでしょうか。
まったくですよね、あのセリフはこの
ドラマの性根ってものを見せてくれました。
「踊る大捜査線」において、青島は最後まで
キャリアである室井を信頼する。
そこで泣かせる仕組みがちょっとしんどかった。
でも、キャリアである以上、現場の意向を
無視せざるをえない場面も多々でてくるわけで、
そのあたりの苦みが描けるフォーマットが用意できる
点で「相棒」はいい感じ。
でもまさか、70年代からドラマを見続けている身から
すると、それを岸部一徳と水谷豊がやるとは……
岸部さんの存在感、台詞は印象に残りましたね
ストーリーも相棒らしくて
ラストも衝撃でした