原作:上橋菜穂子「精霊の守り人」(偕成社)
監督:神山健治
キャラクターデザイン:麻生我等
制作:プロダクション I.G
100年に一度卵を産む水の精霊に卵を産みつけられた新ヨゴ皇国の第二皇子チャグム。
チャグムを守るよう母妃に託された女用心棒バルサ。しかし、この世と並行して存在する
《ナユグ》のモノもまたチャグムの身体にある卵を食らおうと狙っていた。
上橋菜穂子(文化人類学者である)の原作は未読。しかし制作がプロダクションI.G.で演出が神山(攻殻機動隊SAC)健治とくれば見ないわけにはいかない。
設定は気合いが入っている。水の妖怪が王国の第二皇子の体内に卵を産みつけたため、王は自らの剣で子を殺そうとする。皇子を守ろうとひとりの短槍使いが用心棒として雇われる。その用心棒バルサは女性であり、自らの命を賭けて皇子を守ろうと決意する。次第に彼女のなかに母性が芽ばえるが、皇子を守ることは同時に国が水飢饉に襲われることも意味した……
ね?マザコン少年(このシリーズのタイトルが守り人=ベビーシッターなのは、おそらく偶然ではない)と陰謀好きのどちらも大喜びだ。アニメ好きがいかにも喜びそうな仕掛けがかなりしこんである。武侠ドラマから家族ドラマになり、うっすらと短槍使いと薬師の恋愛もにじませるなど、26話のなかにどんだけ盛りこむんだか。月がふたつ浮かんでいるという設定は「1Q84」とシンクロしている。
十二国記が“現実を変えたい元気な女の子たちの物語”だとすれば、こちらは“年上の女性に庇護されたい気弱な少年たちの夢物語”と形容できるかもしれない。あ、怒られそうだ。それにしてはさすが神山、戦闘シーンの迫力はすごいのだが。
にしてもね、30分(正味24分ぐらいか)の番組2本でDVD1枚。全篇を見るには13枚も借りなければならないってのはしんどい。NHKもちょっとそりゃ商売があざとすぎってもんじゃないか。あ、発売はジェネオンでしたか。ったくもう。
買ったまま積ん読状態だった原作本(医療がテーマ)をやっと読みました.
ドラマ的に素晴らしいのはもちろんですが,
こんなに疫病&政治を書いているとは.
架空の話とはいえ薬作りの苦労や免疫の有無なども記述が多く,
コロナ渦の今読めてタイムリー!
しかもある現象が昨年観たあるアニメ映画を彷彿とさせて,映像的にイメージできてとても楽しかった.
いいタイミングで読めて,積ん読もわるくないなあと.
テレビアニメの守人と違い短時間の映画になるので,
特有の物語の緻密さはグレードダウンしそうだけど,
スクリーンでどう観せてくれるか楽しみです.
いたんだなあってのがうれしいですよね。
うろたえてばかりの現状が、だからこそ
哀しい。
わたしもうろたえてますけど(笑)