第43回「恩賞の彼方に」はこちら。
前回の視聴率は12.9%となお上昇。ゆるい感じの方がアップするのかな。日本シリーズの影響もほとんどないあたりで、この大河の視聴者層もうかがい知れる。わたしはきのう油断して7回あたりで寝てしまい、おかげで応援していた(ソフトバンクのファンなのに)DeNAの敗戦にショック。すみませんわたしのせいです。
今回のタイトルは「井伊谷のばら」。薔薇がひらがな表記なので、これはベルサイユ関係のもじりかと。今さら女性の城主であることをオスカルで例えられても……と思ったけれど、今回の薔薇は財前直見を象徴したものでしょう。ちなみに、わたしは実写版で主演したカトリオーナ・マッコールがわりと好きでした。まさかあの映画で脱いでいるとは知らなくて、だったら見ておくんだったと(笑)。
いやいや財前直見のお話でしたね。彼女は不思議な女優で、代表作というのがまず存在しない。それでも仕事は途切れず、常に現役バリバリの女優のイメージが強い。もちろんそれは研音という強力なプロダクションに所属していることが大きいだろうけれど(独立した江角マキコの現状との差に慄然とする)、女性たちから決して嫌われることのない控えめな演技ができるようになったことが奏功しているんだと思います。確実に、年をとってからの方が魅力的。
今回も、娘をひとりしか産めなかったことで直虎に苦労をかけたと語り(過剰な演技をしていないのがいい)、逆に柴咲コウは、ひとり娘であったことの幸福を語る……研音とスターダスト・プロモーションの看板女優のやりとり。
静かな芝居だけではもたないので、その分を菅田将暉(彼は渡辺プロ系列)が顔の筋肉を全部使って大活躍。遠山の金さんそのまんまの見得を切るあたりは時代劇ファンへのサービス。まあ、今回は静かなエピソード。それは迫り来る悲劇への助走だ。薬箱の結び目と同様にゆるい回だったので、ひょっとしたら13%台に視聴率は復帰かも。
第45回「魔王のいけにえ」につづく。