この秋に公開される「ブレードランナー」の続篇を監督しているドゥニ・ヴィルヌーヴの作品。どんな映画評でも絶賛されているし、予告編やポスターからも傑作の匂いがプンプンする。この映画だけは見逃せない。でも庄内では公開予定なし。ということでフォーラム山形で鑑賞。ありがとうフォーラムグループ。
いやあ久しぶりに頭を使わないとついていけない映画。必死でくらいつく。ネタバレにならないようにヒントだけ。この作品で重要なのは
・外国語を習得すると考え方が変わるという説がある
・時間は流れゆくもの、という常識が通用しない世界がある
ですかね。このふたつはちゃんと前半で説明はされているのでフェアなつくりになっている。
地球上に12の「殻」shellとよばれる物体があらわれ(日本では北海道に出現します)、各国政府は極秘裏にそのなかの地球外生命体と接触する。彼らの“メッセージ”を解読するために言語学者(エイミー・アダムス)と数学者(ジェレミー・レナー)が招集されるが……
ヴィルヌーヴの演出がすばらしい。殻をなかなか見せず、むしろ低空を飛ぶ飛行機やヘリの異物感を強調する。宇宙人の造型や言語もかなり考えてあって、テッド・チャンの原作も読みたくなってくる。そのタイトルは「あなたの人生の物語」。
凡百のファーストコンタクトものと違うのは、生きることの哀しさと喜びにラストで気づかされることだ。見逃さなくて本当によかった。ほんとうにありがとうフォーラムグループ。
そんなことを言いつつ、実はストーリーをほぼ理解できたのは帰りのクルマの中ででした。
「あ、そういうことかぁ」
遅いって。