第四十八話「天下動乱」はこちら。
前回の視聴率は、予想をするのを忘れてましたが16.6%と上昇。次が最終回なので視聴率的なまとめをやっておくと、今回の大河は、まあ合格点というところでしょう。次の吉田松陰の妹が主役のは、どう考えても高視聴率をねらっているわけではないし(現政権へのサービスなんでしょう?)、「平清盛」「八重の桜」の不調を払拭できただけでも……
官兵衛の軍才が爆発し、あっという間に九州を平らげる勢い。「如水め」と家康だけは油断していない。寺尾聰は、キムタクが若き総理を演じた「CHANGE」(フジ)の大悪役と同じように、とぼけた表情の人間こそいちばん怖いという演技。ジャニーズの主役を徹底して苦しめるという意味でも共通している。本人は不満だろうけれどもお父さんそのもの。
「三成には奥の手がある」
如水が見通したように、秀頼を前面に出せば、小山の評定ですらきわどい話だった家康の西進は理屈を失う。でも淀君が拒否したせいでその手は使えなくなってしまう。家康はそこまで読んでいたのかなあ。秀頼が実際に旗頭として表に出たとすれば……大坂城からほとんど出たこともなく、「あれはなんじゃ?」と牛すらも知らなかった彼に、総大将の器があったかはもう誰にもわからない。
秀頼に関しては、星新一の「城のなかの人」や、万城目学の「とっぴんぱらりの風太郎」など、ファンタジーの登場人物としての印象だけが残る。生き残ったとしても、きつい姑がいるせいでお嫁さんは苦労しただろう。
ここにきてうれしいキャスティング続々。「新選組!」で究極のバカ殿だった徳川慶喜を演じた今井朋彦が小早川家の家老で。大友家の家臣ではおなつかしい丹古母鬼馬二(しばらく休んでいたの?)、そして長政の家来で、家康からおまんじゅうをもらう、文字どおりおいしい役で春風亭昇太登場!
わたしは昇太のファンなので、今回の出演を彼がどんなマクラにしてくれるか期待大。「タイガー&ドラゴン」のときの、「ぼくが落語監修って、業界的にまちがってるでしょ」には笑ったなあ。城好きの人だからうれしかったろう。岡田准一とも再共演だし。
さあいよいよ最終回。あっという間に関ヶ原。決戦と九州平定と如水の最期が描かれる忙しい回になりそうだ。今回は、真裏の日テレが絶好調だけど、17%はいくんじゃないかな。
最終話「乱世ここに終わる」につづく。