事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「よみがえりのレシピ」 (2011)

2013-01-04 | 映画

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YouTube: 映画『よみがえりのレシピ』予告編

うちの学校のPTA主催上映会で鑑賞。学校で映画を見るなんて、小学校の理科室で変な教育映画を見せられて以来かなあ。

監督の渡辺智史くんは(そうとしか呼べないくらい若い好青年でした)鶴岡出身で、東北芸術工科大学卒。初監督作はうちのクミアイの研修会や港座でも上映した「湯の里ひじおり~学校のある最後の1年」。

そして第2作がこの「よみがえりのレシピ」。地味なドキュメンタリーであるにもかかわらず、評判が評判をよんで全国各地で上映されている。東京では渋谷ユーロスペース(円山町にある映画館ね)につづいてUPLINKにムーブオーバーしているし、鶴岡まちなかキネマでは正月からアンコール上映される人気ぶり。

内容は、地域に受け継がれてきた在来の作物が、商業品種におされて消えていく現状をルポしたもの。在来作物は、在来であるだけに日持ちや見た目が悪いし、病気にも弱いので、特に高齢化がすすむ地方で危機的な状況にある。それでも山形には160種もの在来作物が確認されているのだとか。

案内人的な役割は、山形大学農学部の江頭准教授と、高名なイタリアンレストランであるアル・ケッチャーノ(あるじゃないの、という意味の庄内弁)の奥田シェフ。彼はこのあいだ、ダライ・ラマに庄内米を献上するというびっくりな行動をとっているのでご存じの方も多いはず。

Ncm_0159 彼らが出会い、新鮮な食材として供されるのは外内島(とのじま)キュウリ、だだちゃ豆、米沢の雪菜、金谷のゴボウなど。特に驚かされるのが鶴岡の焼畑カブだ。焼畑農業とは未開地オンリーの農法だと思っていたら、こんな近くでもやってたのかっ!

在来作物を守る年寄りたちは、その意地が顔に出ていて味わい深い。渡辺監督にも「いいキャストをそろえましたねー(笑)」と言っておいた。エコロジーを前面に出した運動映画では全然なくて、むしろ食材がいかに山形イタリアンとして“化けて”いくのか、手品の種明かしのような娯楽映画。うちのPTAにも大好評だった。お近くで上映される際にはぜひ。っていうか、いっそ上映してみませんか。

コメント
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