事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」The Hangover(2009 WB)

2012-11-12 | 洋画

Thehangoverimg02 ほとんどラスベガスから出ないお話なのに、みごとなロードムービーになっている。

「真夜中のカーボーイ」「ミッドナイトラン」「大災難PTA」などの傑作は、その旅を終えたときに、登場人物たちが成長しているあたりがすばらしいんだけど(でもたまに死んだりするので注意)、その条件を、とんでもない連中のとんでもないバカ騒ぎを描いたこの作品はきっちりクリアしている。

お話はしごく簡単。結婚前に独身男四人がベガスで遊びまくろうと出発。バチュラーパーティですわね。ホテルは実在のシーザーズパレス(フロントに向かって「ここにカエサルは来た?」と質問するギャグあり)。

ところが翌朝起きてみると部屋にはニワトリや、そして赤ん坊がいて、なにより二日後に結婚する男が行方不明になっている。おれたちは何をしたんだ?どうしておれたちはみんな昨夜の記憶がないんだ!

……というわけで右往左往。演じているのはブラッドレイ・クーパーだけが有名で、あとは地味な男たち。クーパーにしても撮影当時はさほどメジャーではなかったので、実はほとんど金がかかっていない映画なのである。それなのに、製作費の十倍近い大ヒット。ワーナーの高笑いが聞こえるようだ。

でもね、確かにアメリカではヒットしたけれども、日本では未公開に終わりそうになるくらい注目されなかった。その理由は、底流にある結婚観の相違ではないか。

アメリカ人はとにかくファミリーを重視する。個人と個人が決して相容れないことを知っているからこそ、その個人が人種、宗教、所得によって微細に区分けされている国だからこそ、家族は絶対のものとされている。

でも、それってちょっと違うんじゃないか?という三十代の男たちのモラトリアムぶりが共感を呼んだのかもしれない。少なくともわたしはそのあたりが気に入った。

まあそれ以前に、フィル・コリンズのIn The Air Tonight  が流れ、「ここ!ここのドラムがいいんだよっ!」と例のパートに熱狂するのがマイク・タイソン(本人!)という狂いっぷりにまず感服したんですけどね(笑)。あのドラムには確かにおれも泣いた。

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YouTube: Phil Collins - In The Air Tonight (Official Video)


コメント (4)
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