hiyamizu's blog

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古文書解読入門講座受講

2007年04月26日 | 読書

博物館に展示されている達筆のくずし字で書かれた文書を見て、「読めたらなぁ…」と思ったことはありませんか?
私は高校での古文、とくに文法が嫌いだったし、これまでまったく古文書(こもんじょ)などにふれたことはありませんでした。しかし、明治、江戸やそれ以前のふにゃふにゃした候文が読めたら、自分の世界が広がるような気がしていました。近所の図書館で古文書解読入門講座が開催されていたので、出席してみました。

講座は、講師が古文書の読み方を初歩から教えながら、中世武家文書や、庶民生活、武士の生活に関する文書を読み、解説します。基礎学習であり、やさしい古文書なら読めるようになるとのうたい文句です。全6回で、一回2時間半、6回で、受講料 5,000円でした。
140名の定員を上回る人が集まり、高齢の人には人気の講座のようでした。地域の歴史に興味を持ち、旧家などに埋もれている古文書をコツコツ調べようとしている人、調べている人が多いようでした。前の席に陣取る一群の人はこの種の講習、勉強会の常連のようで、中には講師に解釈の誤りを正す人もいたりしました。

古文書(こもんじょ)とは
古文書とは、「意思伝達のために書かれ、その時代における役割を終えたもの」のようです。紙が一般的ですが、板、布など素材は問いません。
しかし、紙に書かれた古い文であっても、日記やメモ、文学作品は、古文書の範疇には入れないようです。
現存する古文書の多くは権利関係の文書です。これは、多くの文書は廃棄されましたが、権利関係文書だけが大事に保管されたためです。

古文書を読む 
まず、字を判読します。ほとんどが、くずし字です。くずし方はほぼ決まったやり方があるので、基本的な偏やつくりのくずし方を覚えると、主なものは読めるようです。
字そのものも、現代の字と違っている異体字や、略字が使われることがあります。
かな文字も現在の形とは異なる、変体仮名になる場合があります。
読めない字があってもこだわらずに先へ進むと、前後の関係、文意で読める同じ字が出てくることも多いのです。

次に、文として読み下します。
多くの古文書は漢文のような書き方になっているので、字の順をひっくり返したり、言葉を補ったりして読みます。ただし、良く使われる言葉は決まっているので、幾つか覚えれば、そうたいした問題にはならないと思います。また、文末が候で終わる候文や、句読点、濁点、送り仮名がない文が大部分です。

最後に、文意をとります。
言葉の意味が、現代とは異なっていることもあります。文書の背景、歴史、当時の風習などから補足、推測を加える必要もあります。
逆に、文意から読めない字を推定することもままあります。

読んだというか、解説を受けた文書は、以下のようなものでした。
将軍北条氏政が鶴岡八幡宮に所領の土地を守ると保証した書状、徳川将軍の日光社参と村々の負担を報せる書状、赤穂浪士事件の赤穂城明け渡しに関する忍者の報告や、東海道中膝栗毛などでした。
歴史の教科書で概要しか知らなかった当時の文化、庶民の実情を知ることができ、今まで知らなかった世界がまだまだあると思いました。

しかし、私には古文書を読むための大きな壁があることが判明しました。
まず、くずし字を解読するには漢字の書き順をしっかり知っていなくてはならないのです。ところが、私は、小学校のとき漢字なんて出来上がりが同じなら、書き順なんて関係ないと、全く覚えませんでした。漢字は手で覚えるのでなく、目で、イメージで覚えているので、いまでも、書き順はその時々で違います。行書が書けないことや、書いているところを人に見られて笑われる以外はとくに困ることもなく過ごしてきました。しかし、ここにきて、古文書のくずし字解読でつまずくこととなりました。

まだ時間は多少あります。ゆっくり、じっくり勉強しながら、私にとって新しい世界を味わってみようと思っています。



コメント (1)
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