hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

角田光代さんにつられて(3)

2007年04月03日 | 読書

引き続き、角田光代の「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」のエッセイのうち、幾つかのさわりだけを紹介する。そして、角田さんからのバトンを受けたつもりで、私なりに疑問に答える形で拙文を付け加える。

恋人との初デートを覚えている?
角田さんの経験によると、最初のデートでの印象は、その後の相手の本質を象徴しているのだそうだ。

歌手の谷村新司がTVで話していた、彼の初デートの話。
――――――
男性にとって人生で始めてのデートは女性以上に緊張するものである。なにしろ未経験にもかかわらず男性としてはリードしなければいけないのだから。
彼はようやく喫茶店に入り、席に座るところまでこぎつけた。しかし、緊張のあまり腹が痛くなった。ここで大の方ではムードをぶち壊す。そこで、いかにも小ですと思わせるように、短時間で済ますことにした。「ちょっと失礼」と言って、トイレに急ぎながら、チャックを下ろし、入るなり2分(?)で出てきた。
席に座ると、彼女も、「私もちょっと」と言ってトイレに行き、すぐ帰ってくると、言った。
「谷村君、流すの忘れたでしょう」
―――――――

夏休みあった?
角田さんはようやっとのことで一日だけ夏休みをとり海水浴に行った。若い子を見てあらためて思った。年をとるって一方通行なんだ。あきらかにグループ内のひとりを好いているビキニの女の子がいた。彼女が見ている世界や抱いている気分を、私は見たり抱いたりすることはもう二度とないだろう。しかし、二十歳の女の子は今後私と同じようなものを見たり、気分になったりすることがあり得る。

私がこの話で思い出したのは、バスの中で聞いた濃いめの化粧をした女の子の会話である。
「○○さんて、きれいだけど、すっぴんじゃない。お化粧すればもっときれいになるのにね」
「若い子はお化粧してなくってもきれいって言う人いるでしょ。わたしね、女の子って、若くってきれいな時間ってすっーごく短いと思うの。だからお化粧して精一杯きれいにしたいの」
確かにそんな考え方もあるなと思わされました。白人の女の子が一点の曇りもなく美しいのは16,7歳じゃないでしょうか。二十歳過ぎでも美しいのですが、それは滅びる前の危うい美しさに変っていると感じます。

中心にいますか?
すごく親しいわけではない人たちとお酒を飲んだとき、話題は世間一般のできごとになる。例えば、当時はオリンピックだ。スポーツ嫌いで見ていなかった角田さんはどうしても話題に入れない。話題のドラマも見ていないことが多い。

私は2000年のシドニーの夏季オリンピックのとき、たまたまオーストラリアにいたのだが、TVではオーストラリアが馬術の団体で優勝したので、その映像ばかり流しているので、馬術に興味のない私はうんざりだった。
2004年のアテネの夏季オリンピックのときも、たまたまロンドンのいたので、女子のマラソンでイギリス期待のラドクリフが途中で棄権する映像ばかりだった。その後も、次の1万メートルに出場すべきかどうかなど、泣いている彼女に対し、ゴチャゴチャやっていて、肝心の野口みずきの優勝のシーンはあっという間の一瞬だけで、感激する暇もなかった。
オリンピックのTV放送は金銀には遠いのに日本選手ばかりに注目し、やたらと興奮しているので、ひねくれ者の私はいやになっていたが、海外でも同じだった。
私はもともと皆が話題にするものには背を向けるのだが、オリンピックの話題にはとくについていけず、脇にもいない感じだった。あえて口だししても盛り上がりを白けさすことしか言えないのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする