奇跡への絆

図師ひろき

さわる絵本と長岡の花火

2015年02月26日 23時06分59秒 | Weblog

 点字付き迷路遊び絵本『さわるめいろ』が小学館から発売されています。

 “目の見えない子も見える子も一緒に絵本を楽しませてあげたい”と、点字付き絵本の出版と普及を考える会が企画し制作されたもので、産経児童出版文化賞を受賞したり、国際図書評議会推薦図書にもなっています。

 『さわるめいろ』は、透明に盛り上げられた特殊印刷の点線を指でたどりながらゴールまで進む迷路で、目が不自由な子どもが積極的に楽しめることはもちろんのこと、健常者も指先に集中していないとゴールにはたどり着けないない内容になっているようです。

 いつか手にしたい1冊です。

 いつか手にしたい作品が他にもあります。

 それはやはり目が不自由な方のために制作されたものですが、本ではなく絵です。

 テレビドラマで見たもので実話かどうか定かではありませんが、放浪の画家として知られる山下清さんのちぎり絵にまつわる話があります。

 私の記憶が正しければ、山下さんが新潟県を訪れたときに、長岡の花火大会が開催されていて、その花火大会に来ていた盲目の方から

 「私も花火が見てみたい…」

 と話しかけられたことに山下さんは即答して、黙々とちぎり絵作成に取り掛かります。

 完成した作品を、盲目の方に届けた山下さんは

 「ここに並んでいるのが見に来た人ですよ。そしてこれがドカンと開いた花火ですよ。」

 と手を取り、指でちぎり絵をなぞりながら絵を見せてあげます。

 「わあー、花火ってこんなに大きんだね!」クリックすると新しいウィンドウで開きます

 指で大きな円を触りながら、感動の声が上がります…そんなドラマでした。

 感動した私は、この“長岡の花火”を手に入れました。

 …本物ではなく、コピーされたものを通販で購入したのです。

 もちろん平面でちぎり絵の質感はありませんでした…

 触ることができなくてもいいから、本物の“長岡の花火”を観賞してみたいものです。