ひらりん気まま日記

== 毎晩パコパコ せっかちでドジなひらりんの言うたもん勝ち ==

文楽は面白い!

2005-04-05 21:26:05 | お出かけ&旅
文楽チラシとお弁当

国立文楽劇場(大阪・日本橋駅)へ行ってきた。
何しに?って、外観をデジカメしに行ったんではなく、もちろん文楽を見るために。
冬中、黒ジーンズ&赤フリースで着たきりの私、がんばってスーツを着用、劇場そばの397円のコンビニ弁当を買うつもりが、実に不味そうだったんで、ここは奮発。劇場内の文楽弁当1300円を買った。何てったってゲージツ鑑賞である。私にしてはインテリジェンスなんである。

文楽を見るのは3回目。
1回目は高校の古典鑑賞で、このときは辛気臭くて眠たかったことしか覚えていない。
2回目は聞こえなかった時だから、ただ人形の動きを見てただけで特に面白くもなんともなかった。
浄瑠璃は文語調なので、そのまま聞いてもわかりにくいため、床本(ゆかほん)という脚本のような冊子を売っている。これをチラチラと読みながら聞いて舞台の人形を見るわけ。

その語りの言葉がこの1月から舞台の上のほうに字幕で出るようになった。
3回目の正直、こんどこそ。ほんまに面白いんやろか?と期待半分、何事も体験半分で行った。
字幕はちょっと青暗い色で目をこらさないと見難いけど、いや、面白いのなんの。
字幕を読みながらだと、太夫の語る言葉がよく聞き取れるのね。
三味線のペペンペンも気持いいし、甲高い子どもの声音とかも聞き分けられる。
「先代萩」なんて物語は、ぜんぜん知らんかったけど、字幕を見て、入り組んだ内容もよくわかったし、文語調の言葉自体がとても面白い。

前から12列目で人形の顔の表情までは見えないけど、全体的な動きはよくわかる。
まるで生きている人間みたいだとよく聞くけど、ほんとに、あんなに滑らかに動けるものだ。
座って手をついてお辞儀するところなど、私が行儀作法を見習いに行きたいくらい上品で艶がある。
「先代萩」は仙台藩のお家騒動、乳母が我が子を犠牲にして若君をお守りするという話で、我が子の遺骸を抱きかかえて慟哭する母の姿は涙をさそう。

お弁当をロビーでいただいたあと、午後の一つ目はかなり眠かったけど、人形の動きは踊りとリズムが楽しく、文楽人形ならマツケンサンバも手振り足さばき上手に踊るやろうなって。

おしまいは、安珍を追う清姫の日高川渡りのお話。
執念の清姫が時に大蛇の姿になりながら、舞台一面の川を波にもまれて泳いで行くさまは、1枚の絵のように美しく圧巻だった。

というわけで、字幕装置で観客を増やそう!という文楽劇場の罠に見事はまってしまったが、ほんま、また、見に行きたいわー。