イリオネスは、調査隊の打ち合わせを終えて、一行を引き連れて浜に降りてきた。彼らは改造作業の進む船の傍らに立った。船体はこうこうと燃える焚き火の明るさに映えていた。
彼らはタールを塗り立てた黒々とした船体に見とれた。イリオネスが口を開いた。
『君らを目的地に運ぶ船だ。まだ帆柱がたってはいない。船の全体像が見えないが、この船で目的地に向かう、いいな。明後日未明、夜が明けないうちに出航する。ガイドは、クリテスが責任担当する。明日、昼めし前に最終の打ち合わせを行う。以上だ。尚、打ち合わせには、漕ぎかたの6人、操舵を担当する1人が加わる、では解散する』
彼らは改めて、進んでいる船の改造作業を見つめた。
調査隊の中にあって副長役を担当するアレテスは、三人に向かって声をかけた。
『君たち、ご苦労であったな。明日、太陽がこのくらいの位置にあるころ、軍団長の宿舎前に集合してくれ。解散!』
彼は、宵闇の迫りくる空の一郭を手で指し示していた。次いで船の改造作業を指揮しているドックスに声をかけ、パリヌルスの所在を尋ねた。
『あ~あ、隊長ね。隊長は、いま舟艇の方にいると思いますが』
アレテスは、ドックスの指さす方へと歩を向けた。パリヌルスはギアスと話し合っていた。
『おう、アレテス、調査隊の打合せ終わったのか』
『終わりました。小島へ戻りたいのですが、、、』
『おっ、そうか。ハシケでいいか』
『はい。それでよろしいです』
パリヌルスは、アレテスとともにハシケの場所へと歩を運んだ。
『そうか、調査隊の副長役か。道中、気を付けていって来いよ』と励ましの口調で言葉をかけた。
彼は、『お~いっ!』と声をあげた。ハシケの漕ぎかたの一人が小走りでやってくる。
『おう、頼む。アレテス隊長を小島へ送ってくれ』
『判りました』
パリヌルスは、ドックスのいる作業現場へと歩を向けた。作業現場では、ドックスを真ん中に作業員たちが集まっている。
『おう、ドックス、打ち合わせ中か』
彼は話しかけを控えた。
『諸君。今日は大変にご苦労であった。明日の段取りを伝える。帆柱担当、舵担当は、早朝から仕事にかかること。タール塗り担当は、今日やった作業の仕上がりをチエックしたあと、修正箇所があれば、これを修正して作業を完了する。以上だ、いいな』
『ドックス、どんな具合だ?』
『はい、報告します。順調に仕事が進行しています。予定どおりです。タールの乾き具合もいいようです』
彼らはタールを塗り立てた黒々とした船体に見とれた。イリオネスが口を開いた。
『君らを目的地に運ぶ船だ。まだ帆柱がたってはいない。船の全体像が見えないが、この船で目的地に向かう、いいな。明後日未明、夜が明けないうちに出航する。ガイドは、クリテスが責任担当する。明日、昼めし前に最終の打ち合わせを行う。以上だ。尚、打ち合わせには、漕ぎかたの6人、操舵を担当する1人が加わる、では解散する』
彼らは改めて、進んでいる船の改造作業を見つめた。
調査隊の中にあって副長役を担当するアレテスは、三人に向かって声をかけた。
『君たち、ご苦労であったな。明日、太陽がこのくらいの位置にあるころ、軍団長の宿舎前に集合してくれ。解散!』
彼は、宵闇の迫りくる空の一郭を手で指し示していた。次いで船の改造作業を指揮しているドックスに声をかけ、パリヌルスの所在を尋ねた。
『あ~あ、隊長ね。隊長は、いま舟艇の方にいると思いますが』
アレテスは、ドックスの指さす方へと歩を向けた。パリヌルスはギアスと話し合っていた。
『おう、アレテス、調査隊の打合せ終わったのか』
『終わりました。小島へ戻りたいのですが、、、』
『おっ、そうか。ハシケでいいか』
『はい。それでよろしいです』
パリヌルスは、アレテスとともにハシケの場所へと歩を運んだ。
『そうか、調査隊の副長役か。道中、気を付けていって来いよ』と励ましの口調で言葉をかけた。
彼は、『お~いっ!』と声をあげた。ハシケの漕ぎかたの一人が小走りでやってくる。
『おう、頼む。アレテス隊長を小島へ送ってくれ』
『判りました』
パリヌルスは、ドックスのいる作業現場へと歩を向けた。作業現場では、ドックスを真ん中に作業員たちが集まっている。
『おう、ドックス、打ち合わせ中か』
彼は話しかけを控えた。
『諸君。今日は大変にご苦労であった。明日の段取りを伝える。帆柱担当、舵担当は、早朝から仕事にかかること。タール塗り担当は、今日やった作業の仕上がりをチエックしたあと、修正箇所があれば、これを修正して作業を完了する。以上だ、いいな』
『ドックス、どんな具合だ?』
『はい、報告します。順調に仕事が進行しています。予定どおりです。タールの乾き具合もいいようです』