『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  307

2014-07-02 07:05:49 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 スダヌスが島を去ったあと、事後の打合せミーテングがもたれた。イリオネスがミーテングをリードした。彼はまずアレテスに指示を発した。
 『話し合いに入る前に、メンバーを整えようと思う。アレテス、お前とギョリダを補佐する者、4人を任命して打ち合わせの場に参加させてくれ。お前が留守にしてもいいようにとの配慮だ。揃ったら、即、打ち合わせだ。いいな』
 アレテスは急いだ。間をおかずに、4人を選んで打ち合わせの場に臨んだ。アレテスは、4人を一同に紹介して打ち合わせが始まった。イリオネスは、軍団長としての責任遂行の打合せである。彼は、アレテスら6人に向けて用務の説明をした。業務については、パリヌルス、オキテスの指示を受けることとした。イリオネスは、打ち合わせの締めくくりに一同に言い渡した。
 『君らは、打ち合わせたことは理解したな。アレテス隊長は、三日後より数日間、この私に同道して不在となる。充分に打ち合わせをして用務を遂行してくれ。以上だ』
 打ち合わせを終えた。彼らが意図する魚に関する業務が整っていく。イリオネスは、諸策がうまくいくことを期待して、場が解かれた。
 各自が持ち場に帰っていく、アヱネアスらは島をひきあげていく。浜へ戻る船上で干し魚の事が話題になった。
 『なあ~、イリオネス、お前どう思う?塩漬けの魚もうまいが、干した魚もうまい!身にしまりができていてうまい。お前の舌はどういっている?』
 『頭領、貴方は問いかけが上手だ!私に聞いておられるのか、私の舌に聞いておられるのかどちらです?』
 『俺は、お前の舌に聞いている』
 『干し魚の味って言うのは、生魚とはチイ~と違いますな。生から焼いて食べる魚とはどことなく味が違います。なんだか判じかねますが、旨さが増しているように感じられます。また、生から焼いた魚でしたら、三匹ぐらい食べますが、干し魚であれば五匹ぐらいいけます。干し魚があれば今後、これからの食事情が変わります。これが私の感想です』
 イリオネスは感想を述べた。