日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「灯火の暈」推敲

2015年02月19日 | 日記
 2月4日に掲載した歌を、まず再録します。 

吐く息に 曇る硝子の そこかしこ あやに息づく 灯火の暈 

「曇る硝子のそこかしこ」とくに「そこかしこ」が面白くないので、すこし推敲します。
 水蒸気に曇る硝子は、向こうがにじみ、光も水気を含んで、つやつやと見えます。「にじむ硝子」とし、水気の満ちた感じを、「艶めきて」で表わしましょう。「息」が重なるのは、ガラスのこちらも、ガラスの向こうも、この全体が呼吸していることを強調するために、敢えてこのままにしておきます。

はくいきに にじむがらすの つやめきて あやにいきずく ともしびのかさ
吐く息に にじむ硝子の 艶めきて
あやに息づく 灯火の暈

(マスクからの息で眼鏡のガラスが曇り、そこかしこの灯りの周りに、艶々した虹色の光暈ができて、濃くなったり薄くなったりしながら、内も外も一緒に呼吸をしているようです)

*******
日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
くりぷとむねじあ和歌集
古語短歌への誘い
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大風の歌(再録) | トップ | 「花陰の奥処に浮かぶ」1首 »

日記」カテゴリの最新記事