2月4日に掲載した歌を、まず再録します。
吐く息に 曇る硝子の そこかしこ あやに息づく 灯火の暈
「曇る硝子のそこかしこ」とくに「そこかしこ」が面白くないので、すこし推敲します。
水蒸気に曇る硝子は、向こうがにじみ、光も水気を含んで、つやつやと見えます。「にじむ硝子」とし、水気の満ちた感じを、「艶めきて」で表わしましょう。「息」が重なるのは、ガラスのこちらも、ガラスの向こうも、この全体が呼吸していることを強調するために、敢えてこのままにしておきます。
はくいきに にじむがらすの つやめきて あやにいきずく ともしびのかさ
吐く息に にじむ硝子の 艶めきて
あやに息づく 灯火の暈
(マスクからの息で眼鏡のガラスが曇り、そこかしこの灯りの周りに、艶々した虹色の光暈ができて、濃くなったり薄くなったりしながら、内も外も一緒に呼吸をしているようです)
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日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
くりぷとむねじあ和歌集
古語短歌への誘い
吐く息に 曇る硝子の そこかしこ あやに息づく 灯火の暈
「曇る硝子のそこかしこ」とくに「そこかしこ」が面白くないので、すこし推敲します。
水蒸気に曇る硝子は、向こうがにじみ、光も水気を含んで、つやつやと見えます。「にじむ硝子」とし、水気の満ちた感じを、「艶めきて」で表わしましょう。「息」が重なるのは、ガラスのこちらも、ガラスの向こうも、この全体が呼吸していることを強調するために、敢えてこのままにしておきます。
はくいきに にじむがらすの つやめきて あやにいきずく ともしびのかさ
吐く息に にじむ硝子の 艶めきて
あやに息づく 灯火の暈
(マスクからの息で眼鏡のガラスが曇り、そこかしこの灯りの周りに、艶々した虹色の光暈ができて、濃くなったり薄くなったりしながら、内も外も一緒に呼吸をしているようです)
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