日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

『歌物語 花の風』より、抜粋

2011年02月15日 | 日記
 今年になって、全国的に雪模様で、あまり雪にならない関東東海地方でも、積雪がありました。同じような状況が、数年前にあって、その時に同じような情景を詠んだ歌が2つ、『花の風』にありますので、抜粋しておきます。
 歌を詠むということは、同じような状況になったときに、このように昔を思い出し、夢と現が重なるということです。時空を超える最も直接的な方法の1つだと思います。


はつはるの ふりしくゆきを よそおいて はなのさかりと たちなめるきぎ
初春の 降り重く雪を 装ひて 花の盛りと 立ち並める木々

(初春に思いがけず大雪になり、並木の枝も雪をまとって、花盛りのように見えています)

めじのかぎり ふりしくゆきに まぎらいて かつたえだえに かぜふきわたる
目路の限り 降り重く雪に 紛らひて かつ絶え絶えに 風吹き渡る

(降り続く大雪が、ときどき吹きすぎる風に巻かれて、一面の雪景色になっています)

 春が近づき、暖かさと寒さが繰り返していた。

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