私は、50年振りに想いを言葉にできました。
小学生高学年の頃、貧しくてズボンを買ってもらえませんでした。
多忙な母に、繕いをお願いできませんでした。
自分で針と糸を使い、繕いました。
学級会で、自ら縫った話をしました。
当時の恩師から褒められました。
私は、泣いてしまいました。
恩師は、何故泣くのかと聴かれました。
私は答えることができませんでした。
当時は、複雑な気持ちでした。
本当は、母にお願いして縫ってもらいたかったのです。
私達が60歳になり、同窓会が開かれました。
出席してくださった恩師に、当時の複雑な心境を説明できました。
何故、涙が出たのかも説明できました。
やっと肩の荷が降りた気がしました。
言葉は、力を持っています。
人の心を動かすことができます。
だから、言葉を選んで大事に使わなくてはなりません。
同時に、想いを半分も伝えられない言葉です。
半分だとしても、言外の思いをくみ取らなければなりません。
2015年3月16日