ツマグロキンバエのことは既に記事にしました。しかし,食餌中の口吻をずばり捉えることができないままでした。機会があれば写したいと願っていたのですが,この程,それが叶いました。
今の時期,ハエの絶対数が少なく,花が小さいために,給餌行動を写真に収めることはむずかしいといえます。それができ,「念ずれば花開く」みたいな嬉しさを味わえました。
ツマグロキンバエの動きを勘案して,三脚にカメラを据え,狙い定めた花にピントを合わせて待ちました。しばらくして,歩いてこの花にやって来ました。口吻を出して,花粉を舐め始めたのでシャッターを切りました。「ヤッター!」という幸せな気分に浸れた瞬間です。
暖かい日だったので,ハエは花から離れることなく,別の花に移動していきました。食餌を終えると,花から出てきて口吻や前脚を掃除しました。これで感度を取り戻せるのでしょう。
そうして,別の花に移っていきました。今度は歩いて移動です。
頭を花に突っ込みました。わたしは,頭部の上側から見下ろす格好になりました。口吻が伸びるだろうと思っていると,そのとおりに伸ばして花粉を舐め始めたのです。
想定した動きが次々と展開していくので,なんともうれしい限り! びっくりさせず,慌てず,昆虫に付き合えば,生態がすこしずつ見えかけてきます。 自然体での付き合い方こそが,観察の心得です。