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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ダンゴムシの生態を確かめたくて(3)~脱皮~

2020-05-08 | 生物

5月7日(木)。石をのけると,ダンゴムシ(メス)が脱皮中。後ろ半分です。石の下で脱皮するのは,こういうとき天敵に襲われると防御のしようがないので,安全対策上のためでしょう。

 

やや時間が経ってからの撮影です。脱いだ殻には脚も。本体が動いた様子はありません。じっとしていてからだを乾かしているのでしょう。

 

ダンゴムシのからだは鎧を身に着けているようなものなので,成長し終えるまでに何度か脱皮を繰り返します。節足動物の宿命でもあり,特徴でもあります。ダンゴムシの脱皮は前半分と後ろ半分とに分けてなされます。今回はこの一つを観察できたわけです。

ところで,この脱皮に関して疑問が一つ湧きます。「前と後ろとではどちらが先?」という点です。

おもしろいというか,おかしなというか,よくわからないのは児童書で二つの記述があることです。そのまま引用しておきます(赤字部分。分かち書きを省略)。

  • ダンゴムシのだっぴは,2回に分けて行われます。さいしょは体の後ろ半分のからをぬぎ,何日かして,前半分をぬぎます。(「いきものとなかよし はじめての飼育 ダンゴムシ」今泉忠明監修 金の星社 2017年10月 第2刷)
  • だんごむしは,前と後ろに分けてだっぴします。前から先にだっぴすることもあれば,後ろから先にだっぴすることもあります。(「みいつけた! がっこうのまわりのいきもの 1だんごむし」須田研司監修 学研 2017年4月26日 第5刷) 
  • もう半分は,時間が経ってからだっぴします。次の日になることもあります。(同上書)

観察者の目から見ると,記述の違いが気になります。どちらが先か断定できるのかどうか,時間のずれがどの程度か,あいまいすぎます。書き手がほんとうに観察したのか,観察したとすればどれほどの数に当たったのか,この点も気になります。

自分で追観察したいところですが,今のところ,そのゆとりと根気がありません。すみません。

科学児童書は子どもに正しい知識を,わかりやすく伝える役割を担っています。事実にもとづいて科学的知識を扱ってほしいものです。

5月8日(金)。脱いだ殻はなくなっていました。栄養分として食べるらしいので,いずれかの個体が,あるいは複数の個体が食べたのでしょう。

 


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