恒例の,金沢の旅を楽しんできました。自動車で自由に動き回り,気心の知れた3人で気楽におしゃべりをたのしむ,そんな気軽な旅。今回の目玉はいしかわ動物園で公開飼育中のトキを見ることでした。昨年公開飼育開始というニュースを耳にして,近いうちにぜひ訪れたいと思っていました。
日本産トキの絶滅後,中国からトキを譲り受け,それを繁殖させて野生に復帰させる試みがずっと続いています。伝染病対策の一環として,その一部を全国数か所に移して飼育。この取組が軌道に乗ってきて,いしかわ動物園で一般公開がなされているのです。
石川県にはトキが生息していたという経緯があって,県が飼育・繁殖施設設置を熱望してやっと実現にこぎつけたとか。
施設はまことに立派です。解説してくださったガイド係Kさんの話から,今もなお,トキの繁殖にふさわしい飼育・繁殖環境づくりにあれこれ四苦八苦されている様子が伝わってきました。なにしろ長い時間をかけて,熱く丁寧に説明してくださったのですから。
話を聞いている途中,一羽が目の前に飛んで来ました。
朱鷺色を帯びたきれいな羽根が目に焼き付きました。
棚田を模した環境は能登の風景を思い浮かべます。
今は繁殖期。オスはしきりにメスに接近を試みますが,メスは受け入れそうにありません。メスはとても迷惑そうなのです。二羽の関係についてKさんが推測して解説してくださいました。長く観察していると,想像ゆたかに見えてくるようです。首を縦に振り始めたとき,「あのしぐさをすると,飛んでメスに近づきますよ。見ていてください」とおっしゃったら,そのとおりになったりして。
ガラス窓をとおして,至近距離からの観察ができます。トキの色や表情,大きさなどがくっきりと見えるのは驚きです。
トキからはこちらが見えないしかけです。つまり,マジックミラーなのです。
オス。
メス。
トキを知り,トキを理解しようと思う人には,この動物園を訪れることをおすすめします。見どころがあり,説明も具体的でわかりやすいと感じました。訪れて,わたしは満足できました。