先日の記事で,ミュージアムスタッフがカンアオイの自生地に行き,ギフチョウの幼虫が葉裏にいるのを発見したという話題を取り上げました。
わたしもその雰囲気を自分の目で確認したくって,訪れました。ところが意外や意外。聞いていた箇所に生えているはずのカンアオイが一様に他の草とともに刈り払われていたのです。棲息環境を大事にするという点からすると,まったく悲惨な光景に変貌し果てていました。
理由は簡単です。横を走る用水路の維持管理にために,年中行事として草刈りが行われた結果です。作業にはまったく非はありません。作業をした人は,足元にそんな意味のある幼虫が棲んでいるなんて想像もできなかったでしょう。
しかし,当の幼虫から見れば,一方的な被害に遭ったわけです。
わたしは,丹念に確認しました。カンアオイの株はいくつか残っていましたが,幼虫はまったく見当たりませんでした。残念な話です。
残った株に,幼虫が歩いて到達すれば,何匹かは生き残れるでしょう。ぜひぜひそうあってほしいものです。
それにしても,貴重な野生生物をどうやって保護するか,考えさせられるひとときになりました。