8月9日付け記事『アゲハ,蛹になる』で取り上げた個体のその後の話です。
8月17日(土),頭部・胸部に透明感が出てきて,間もなく羽化かと思われました。それで植木鉢を室内に持ち込んで待つことにしました。この個体については,羽化の瞬間を是非写真に収めたいと思ったのです。
8月18日(日)。今にも羽化が始まりそうなのに,この日の深夜に至っても変化がありません。
8月19日(月)。午前。先日と変わったところはありません。どうもおかしいので,蛹の蓋の部分を触ってみました。すると,わずかに開きました。ところが,それ以上の変化が起こらないのです。
おかしいなと思って,さらにすこし蓋を開けてみました。やはり,動きが見られません。
もっと開けてみました。といっても,軽く指を蓋に触れるだけです。それでもまったく動きはありません。ふつう羽化する場合,脚・触覚がバネのようになって蓋を押し上げますが,かたちだけはそれとそっくりです。
これで,この個体のいのちが絶えていることがわかりました。わたしは,このときまでに個体そのものをまったく触っていません。なのに,こんなことになってしまいました。いのちは微妙です。なにが起こるか,わかりません。
関心をもって見守ってきていた個体なので,とても惜しい気がしています。いのちのクライマックスを迎えたこの段階で,いのちが途切れるなんて。