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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その230)

2013-06-13 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの食欲ぶりについてはもう何度も取り上げたのですが,とにかくあきれる程のそのすさまじさについて再び書いておきましょう。

一つの植木鉢で育てているウマノスズクサがぐんぐん伸びて,蔓の高さが2mに達しました。これぐらいだと数個体の幼虫を養えると思い,そうすることにしました。

ところが,ところが。なんと蔓の途中を食べて切ってしまったのです。これでは,切れた部分から上の方は枯れてしまうでしょう。もちろん,そこにも幼虫はいます。幼虫は取り残された状態になりました。幼虫はまったく無頓着で,そこに食草があれば手当たり次第,口次第で食べ尽くしていきます。

あるとき,畑で作業をしていると,よき協力者であるヨッさんが通り掛かられました。わたしに気づいて停車。そして自動車から降り,こんなことをおっしゃいました。

「アゲハはウマノスズクサをよう食べるなあ。植えとった草をまたたく間に食べてしもたわ。それで,これではもうもたへんと思うて,結局,草を採ってきて,水に挿して,そこに幼虫を置くことにしたんや。今度は,もっと 植えようと思うとるんや。やり始めたら,おもしろうて,やめられへんなあ」

生きもののいのちを感じる,ほんの小さな行為・行動です。手を動かすことで,新しいなにかと出合い,ふれ合うことができます。それをジャコウアゲハは約束してくれるように思うのです。たとえ旺盛過ぎる食欲であっても,です。

同じ事実を分かち合い,しばし語り合える共感者があるというのは,ありがたいものです。

 


キアゲハ,ハナウドに産卵(孵化後 ~その6~)

2013-06-13 | キアゲハ

ある日の深夜のこと。飼育箱の幼虫一匹を見ると,頭を下側に向け,葉脈だけになったハナウドに取り付いています。どうも蛹化期が近づいた様子です。

それで,草から離して篠竹に付けてやりました。ほんのしばらく,上に行ったり下に行ったりしていましたが,どうやら場所を決めたらしく,静止状態に入りました。そのときの姿勢は頭が上,尾が下。

じっとしていて,動く様子がありません。動きが円滑にいくなら,このあと,逆立ち状態になって尾を固定するために糸を出すはず。そうしてまた頭を上側に戻して,帯糸を紡いでからだ全体を支える作業に入るでしょう。

予想される動きを見届けず,わたしは就寝。

翌朝起きて確認。完全に帯糸作業までが終了していました。6時間以内で完了したことになります。なんと,真っ暗ななかで活動が行われたのです。

朝の姿をくわしく見てみましょう。まず,全体から。竹には無数の糸が付けられています。そこを口が動いたのです。

 

尾はどうでしょう。見事なほどに糸が付いています。

 

帯糸が弛んで,前蛹に備えた状態になっています。

 

このあと,腹脚が接触面から離れてからだが湾曲するでしょう。