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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ロウバイ,今(1)

2018-01-24 | ロウバイ

ロウバイは本ブログカテゴリーのたいせつな一つ。毎年今頃になると,ロウバイを訪れる昆虫たちのすがたを記事にしています。春を告げる花にどんな虫たちがどんな表情で現れるのか,今冬も興味津々。

この花,我が家では開花が遅れています。昨年より1カ月ほど遅いです。例年だと,隣りに植わったマンサクと競い合うようにして花を付けます。各地のロウバイ情報を見ていると,とっくに咲いているのに。近くのホームセンターの庭木売り場でも開花しているのに。

1月24日(水)。とにかく寒い一日でした。おまけに冷え冷えとするような風が吹き続け,最高気温は4.1℃。ロウバイの蕾がやや緩みかけだったのに,またぎゅっと固まったような感じです。

 

なんとか近いうちに開きそう。

 

この蕾も。

 

開花が遅いと,それだけ開花期間がずれるでしょう。昆虫が現れやすい頃になって,結果これまで以上に数々の出合いがあるかもしれません。そう思って昆虫との出合いを期待しておくことに。

 


ロウバイ,花と昆虫(9)

2017-02-18 | ロウバイ

寒い寒い,ほんとうに寒い日でした。ロウバイの花を見て行くうちに目に入ったのがツマグロキンバエ でした。それが花弁の間で,寒さを避けて避難しているようでした。じっとして微動だにしません。

 
近寄って写しました。ふつうなら外の気配が感じられて反応しそうなところなのに,動きません。からだの機能が完全に停止しているようです。

 
もっと近寄って撮影しました。それでも一向に動こうとはしません。からだにはロウバイの花粉らしきものがかなり付いていました。


冬を生き,寒さを乗り切ろうとするいのちは自然に逆らうわけにはいきません。環境にどう適応して行き抜くか,一刻一刻試されているとさえいえます。

 


ロウバイ,花と昆虫(8)

2017-02-15 | ロウバイ

2月10日(金)。寒い寒い夕方。気温3.0℃。まさか昆虫はいないだろうと思ったのですが,いました。例のユスリカのなかまが蕊の上に乗っかかる格好でじっとしていたのです。この虫にとって,寒さ除けに好都合であるばかりか,いい匂いに包まれていうことなしってことでしょうか。 


餌を食べているふうでなく,そこでじっとしている感じでした。 


2月12日(日)。朝は雪。昼過ぎもときどき雪模様。寒い寒い一日でした。上写真とは別種のユスリカでしょう,寒さ避けにここに来たようです。


どちらも体長5mm程度なので,ふつうだと目に入らない大きさです。黒っぽいので,それがわずかに目印になったのでした。花が咲いていれば,とことん探すのが冬の昆虫探しのコツです。 

 


ロウバイ,花と昆虫(7)

2017-02-09 | ロウバイ

ホオグロオビキンバエなのでしょうか,青光りする金属光沢が際立つハエが1匹。ロウバイの花に誘われて飛来。プイッといなくなったので,「しまったー! 残念!」とがっかりしていたら,しばらくしてまた飛来。やれやれ。ほっ! 


思ったとおり花を舐め始めました。ふつうなら警戒心が強いはずなのに,このときはまったくそんな感じではありませんでした。 

 
うんと近寄って撮ったので,レンズ部分がからだの表面で反射して映ってしまいました。複眼には花粉がたっぷり付いています。大口の送粉者といえるでしょう。


花から出て来たので,「これはしめた!」と思いながら撮りました。頭部はそれこそ花粉まみれ。 


口吻を掃除し始めたのでまた一枚。 


口吻の手入れが終わると,また花に向かいました。頭に付いた花粉は視野をさえぎらないのでしょうか。 

 
逆立ちスタイルで食餌。脚をぐっと広げて,からだを支えています。

 
また出て来たときを狙って,今度は前方から撮りました。口吻の様子までも手に取るようにわかります。感謝,感謝の一枚になりました。

 


ロウバイ,花と昆虫(6)

2017-02-07 | ロウバイ

クロヒラタアブがやって来ました。今冬初めてお目にかかります。大歓迎,といったところです。 

 
花に関心を示しています。口吻が出ています。

 
萎んで枯れ気味の花なのに,そして他に新しい花があるのに,関心を持っている様子なのです。この花は開きかけたときに雪に見舞われ,そのまま萎れてしまったものです。

 
結局は花には入れませんでした。舞い上がって別の花に移動。そして中に入って行きました。そこでしばらくエネルギー源を補給して……。 


外に出て来ました。そこでまたペタペタ舐める動作。

 
やっと花の外に移動して行きました。

 
動きはじつにゆっくりとしたもの。お蔭で,ゆっくり撮影することができました。

 
冬,生きていくのはクロヒラタアブにとって容易なのでしょうか,たいへんなのでしょうか。それが聞ければおもしろいだろうなと想像しています。

 


ロウバイ,花と昆虫(5)

2017-02-04 | ロウバイ

2月3日(金)。節分。穏やかな天気になりました。午前,この分なら虫が観察できるだろうと思って行くと,やっぱり! 前に取り上げたツマグロキンバエが,今日は花の中にきっちり入って口吻であちこち舐め回しかけました。「これは絵になる!」と思って画像に記録。

 

 
熱心に餌に向かっているので,ちっとも気づきません。

 


しばらくして外で出て来ました。しかし,気温が低いためか動きは緩慢です。 

 


花の外を歩いて回り,また同じ花に入って行きました。 

 

 
そこでまた,ぺたぺた。わたしは左手でそっと枝を持ち上げ,手の甲にカメラを載せるようにして構えながら撮影しました。こうすることでカメラの位置を固定できます。結果,蕊を抱え込む格好になりながら口吻を伸ばす姿をとらえることができました。送受粉の仲立ちとして,からだを覆う毛が大いに役立っているのは明らかです。

 


相変わらずわたしにちっとも気づかないまま,花の中を動いて餌をたっぷり舐め続けました。 

 

 
出て来たときは,いかにも満足そう(?)。

 


昆虫1個体の動きをじっと見入ることで,その昆虫の好みがなんだかわかって来そうです。そんなひとときでした。 

 


ロウバイ,花と昆虫(4)

2017-02-01 | ロウバイ

今冬咲く花は,ロウバイに限らずほんとうに受難だと思われます。開きかけると霜やら雪やらにやられて,受粉どころではないように見えます。気象は最大の天敵です。観察者にとっても,冬の花と昆虫とのつながりを目撃するチャンスが激減。

さて,ロウバイを気にしていたところ,開き始めてすぐに萎れゆく花で見かけたのが,小さな小さなカメムシ。よほど注意深く見て行かないと気づかない小ささです。

 

 
正体はケブカカスミカメです。花弁に口吻を突き刺して汁を吸い上げている様子。

 


カメラを近づけて写真に収めているうちにどうやら気づかれたのでしょう,さっさと枝に移って行きました。 

 

 
そこで方向を変えてじっとしていました。

 


そうして,やがて花に移動。やっと全身を撮ることができました。「やったー!」。 

 

ケブカカスミカメは,たとえわずかにせよ送粉に貢献しているのでしょう。目撃できてハッピー!

 


ロウバイ,花と昆虫(3)

2017-01-27 | ロウバイ

1月15日(日)。雪。今冬最大の寒波到来。庭の積雪量を計ると15cm。その後止んだりまた降ったり。しばらくしてまた計ると18cmにも。ロウバイの花は高ーい雪帽子を被っていました。この寒さでは当分昆虫を観察できそうにありません。


1月24日(火)。曇りときどき雪。午後4時。気温2.4℃。この時間帯,雪がちらついていました。よもや昆虫は来ていないだろうと思いつつ,とりあえず確かめるつもりで見に行きました。すると,なんとハナバエのなかまが一匹! ちょうど花から出て来るところでした。下写真はその直後の様子です・


ハエは花を出てから,枝を伝って上に移動。からだには花粉がどっさり! たぶんロウバイのものでしょう。この分だと,ゆっくりながらも,相当に動いて蜜を舐めたはず。


梢にしばらくとどまっていました。


そうして,再び歩いてもとの花まで戻って来たのでした。


この外気はさすがに身にしみるようで,動きは緩慢なばかり。

1月25日(水)。午前8時現在,晴れ,氷点下4.1℃。家の外に出て地面にしばらく立っていると,靴裏が地面にくっ付きました。歩いても,パリパリッと吸いつけられる感じなのです。ロウバイの花弁には霜がびっしりと付着していました。霜の華と形容できそう。


ハラビロカマキリの卵鞘にも霜が張り付きます。

 


午後4時。4.8℃。冷たい一日でした。この時間にも,この気温でも,小さな昆虫が訪れていました。初めて見る昆虫です。


体長5mm。からだが毛で覆われ,触覚が毛筆のように先で揃っています。いつもこんなかたちなのでしょうか。ふしぎなふしぎな姿に見えました。名はまったくわかりません。

  


ロウバイ,花と昆虫(2)

2017-01-10 | ロウバイ

12月28日(水)。朝,家周辺がうっすらと雪化粧。庭に積もったのは今季初めて。ロウバイを訪れるはずだった昆虫たちは震えあがっていることでしょう。

 

 
ハラビロカマキリの卵鞘も雪帽子を被りました。

 
べたついた雪で,どんどん解けていきます。ロウバイの下にあるサツキにも雪が。その結晶を写真に収めたくて撮りました。撮っている間にも結晶はかたちを崩していきました。


1月10日(火)。穏やかな日中でした。最高気温12.9℃。開きかけたロウバイは数輪。あまり期待せずに見に行くと,なんとハエが! クロバエのなかまのようです。ヤッター! これが観察第1号! 花弁の黄がしっかりアピールできたのです。冬の黄色は地味で清楚。それでも,自然の中ではひと際目立つのでしょう。左の花の花弁にいたので,たぶん中に潜っていたにちがいありません。

 


時間をおいてから行くと,今度はツマグロキンバエが! これも色に引き付けられてきたのでしょう。ロウバイのアピール作戦は大成功!

  

 
さあ,ロウバイの花と昆虫との,持ちつ持たれつのドラマが幕を開けます。

 


ロウバイ,花と昆虫(1)

2016-12-24 | ロウバイ

12月24日(土)。クリスマスイブ。朝,庭のロウバイに近寄ると,花が一輪ぷっくと開き始め! 「これはスゴイ! クリスマスプレゼントだぁ」。こころが叫んでいました。わくわくしながら匂いをかいで,そうして写真に収めて。芳香が微かに鼻を刺激します。


昨年は25日にほころびかけたのを見ていますから,平年並みということになります。全体の様子から見ると,いくぶん早めかなあという印象。

蕊が収まっています。昆虫は見当たりません。


ロウバイはわたしが観察対象にしている木です。真冬に咲く花に,どんな意味があるのか,どんな昆虫が訪れるのか,ずっと探ってきました。今冬もまた,この好奇心を満たしてくれそうです。身近なところにあるので,観察が容易である点は大助かり。

さて,どんな記事がアップできるか,たのしみにしています。