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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

2019年,ロウバイの今(4)

2019-01-21 | ロウバイ

わたしには,写真をきれいに撮りたいという気持ちはほとんどありません。ただ,昆虫を中心にしながらいのちの様相,つまり生態といったものをしっかり記録していきたいという気持ちは強くあります。いのちといのちの関わり合いや,関係性やらをできるだけ丹念に見届けたいと思います。

ロウバイで見る昆虫がありふれたものであっても,冬,そこを訪れる昆虫の特異な姿・行動を画像で記録していくのは科学の目で論じるなら価値あることだと思うのです。ときにはこれが"根堀り葉掘り"の行動につながって,さらに他の視点にも広がっていきます。こうなると,とんでもなく話題が発展して,わたしは丸ごとそのことだけで時間をたのしむことができます。

さて,この時期の昆虫は,普通以上の警戒心を持っているように思えます。それをなんとかかいくぐるようにしながら観察し,画像に残すのはスリルがある話です。花に入ったハエのからだには花粉が付着しています。たぶん,ロウバイのものでしょう。

 

伸びた口吻がかろうじてわずか写っています。

 

花から出てくると,からだの掃除です。このしぐさはよく見られます。

 

一先ずからだを清潔にし終えたと判断したのでしょう,動きが止まりました。

 

歩いて移動。ここでもからだをきれいにする行動が始まりました。

 

気を付けながら,反対側から撮影。

 

わたしの動きにはまったく気づいていない様子。

 

ここまで撮れたら,マア,心残りはありません。

 


2019年,ロウバイの今(3)

2019-01-20 | ロウバイ

1月14日(月)。暖かな日でした。最高気温12.0℃。昼過ぎに見ると,花の中にツマグロキンバエが。鼻先を近づけると,わずかに芳香が漂ってきます。ハエは嗅覚で生活しているといってもよい昆虫。遠くから嗅ぎ分けて訪れているのです。

1月15日(火)。寒い一日となりました。雨が降りました。もちろん,昆虫の姿を見かけることはなし。下写真は雨が上がったときのもの。花から香りがしてくるような。

 

1月20日(日)。午前中雨模様。午後,晴れたり曇ったり。ロウバイに付いた水滴は一日乾きませんでした。

 

日が差したとき,昆虫の姿を見かけました。まずは,ツマグロキンバエ。このハエは気温に対する適応性がすぐれているように見えます。種としての生き残りは太鼓判を押せそう。わたしの視野には,一度に4匹も入って来ました。

まずはメスです。花の奥に入って行きました。

 

中の様子は花弁が視界を遮るのでなかなか撮れません。口吻が撮れたら申し分なし,なのですが。 

 

出て来たとき,日がからだを照らしました。

 

この花ではオスが摂食中。姿からは送受粉者としてのはたらきが見えます。

 

拡大写真及び他の昆虫については次回以降に回します。

 


2019年,ロウバイの今(2)

2019-01-15 | ロウバイ

1月13日(日)。一日,じつに穏やかな快晴日。最低気温-3.0℃,最高気温11.5℃。

朝は霜が降りていました。

 

 

とんどが終わったら,昼。ロウバイに日が差してしました。こういう日は昆虫が活動するのではないかと予感。

 

 

昼食を終えて,しばらくしてから見ると……。開いた花に大きなハエが入っている! ところが,手元の蕾近くにもホソヒラタアブが! これはもう手元優先にするほかなし。ホバリングした後,蕾に着地。

 

すると,今度はツマグロキンバエの姿が目にとまりました。花弁の外側を舐めながら歩きました。

 

萼片の上に来たとき目に入ったのが,からだに付着した花粉。ずいぶん活動してきたようです。この粉はロウバイで付いたのでしょうか。

 

虫媒花は結実を昆虫に頼っています。寒さにもかなり適応できる昆虫がいます。この日見た昆虫は三種ともハエのなかま。冬も花あれば昆虫あり,です。この原則を念頭に観察を続けます。

 


2019年,ロウバイの今(1)

2019-01-14 | ロウバイ

12月29日(土)。やっと蕾が膨らみ始めたかなあといった感じ。

 

蕾に積もったすこしばかりの雪が融けた昼。よく見ると,開きかけた花が一輪。

 

1月12日(土)。ようやく花が開きかけました。でも,各地の開花報告からみると,ずいぶん遅れています。気候の影響というより,たぶん品種内の微妙な違いなのでしょう。

 

 

これから毎日のように訪花昆虫を確認する作業が続きそう。 

 


ロウバイ,今(7)

2018-03-21 | ロウバイ

またまたトビコバチに出合いました。今年は,それだけ他の昆虫が来なかったということでもあります。異常な寒さだったので,ロウバイは途中から萎みかけたものがほとんどでした。そういう環境変化のせいで,出合いが少なかったのです。

もちろん,このトビコバチを撮ることに。ただ,これまでとは違った角度から見てみました。 

 

ちょうど真上から撮れるチャンスがありました。 

 

コバチは脚でしっかりからだを支えながら,ゆっくり前に進みました。 

 

上から頭胸部を見ると,光の加減で毛の生え方が見事なほどによく見えます。

 

こんな角度から見えるときがありました。前脚の毛が確認できます。被写界深度が極端に浅くなるので,複眼・口がややボケ気味。これが限界というところまで迫って撮った一枚です。

 

今年のロウバイは,トビコバチとの深い出合いをプレゼントしてくれました。ただただ感謝。 

 


ロウバイ,今(6)

2018-03-20 | ロウバイ

トビコバチを撮影するチャンスがまた巡って来ました。

こういう超小型の昆虫を写す際は,できるだけ接近,できるだけシャープに,というのがわたしのスタンス。何枚も撮ってようやくなんとか納得のゆく画像が得られます。コンデジで撮るのですから,良質な画像を得るのはなかなかたいへん。しかし,コンパクトゆえに片手で持って,もう片手は花を支持して,という具合なのでたいへん写しやすいのです。 

 

 

頭胸部にピントが合うと,こんなふうに体表や個眼も写り込みます。

 

 

斜め前方から撮りました。口器がはっきり確認できます。この口でバリバリと食べるのです。 

 

 

もっと近づいてみました。頭部にピントが合いました。顎のかたちがくっきり。

 

真正面から頭部を撮ってみました。小さいながらも,しっかりした(?)表情です。

 

 

こういう世界はふだん見慣れないので,何度見ていても飽きません。ほんとうに撮り飽きないのです。

 


ロウバイ,今(5)

2018-03-18 | ロウバイ

体長2mmほどの小さなハチが花の中にいました。トビコバチのなかまと思われます。小さすぎるので,そこにいることがわからないほどです。 

 

花弁を開き加減にして接写撮影をしました。小さいながら,しっかりしたからだ付きをしています。触覚と複眼がいかにも行動性を物語っているようです。 

 

真横から写しました。頭・胸・腹がみごとなスタイルをかたちづくっています。

 

体長わずか2mmの中の,こんなに巧妙な世界にただただ驚くほかありません。わたしたちはメートルの世界の生きもの,このトビコハチはミリ界のいのち。自然界の階層性を感じさせる出合いです。

 


ロウバイ,今(4)

2018-03-08 | ロウバイ

3月4日(日)。家にいるときは何度か花を確かめます。うれしいことに,この日二種類目の昆虫が目撃できました。キアシブトコバチです。花の中を覗き込んでいる様子。「ははーん,入りたいんだな」と直感。

 

からだには花粉がどっさり付着しています。もうロウバイで摂食していたのでしょう。

 

花弁上を歩いてどこかに行く様子。 

 

枝に移りました。飛び去る気配はまったくなし。 

 

別の花を覗き込んで,結局そのまま入って行きました。 

 

見上げながら撮るって,疲れる姿勢です。それでもたいせつなシーンなら,時間もかけ,頑張らなくてはなりません。 

 


ロウバイ,今(3)

2018-03-07 | ロウバイ

3月4日(日)。仕事は休み。暖かな一日でした。

ロウバイの花が縮みかけています。今年の天候に影響されたようで,花に入った昆虫を見かけることがありませんでした。と思っていたら,今日,花の中にいるハエを見かけたのです。ハナバエの一種でしょう。背に付いた花粉が見えます。

 

花粉はロウバイのものではないでしょうか。 

 

こちらを向いたので前方向から撮りました。花粉がみごとです。

 

芳香のする花の中にいて,気分は上々のはず。

 

ハエのお陰でどこかの花で受粉が成立していることでしょう。花と昆虫とのつながりが強烈に見える事例に出合えたことに感謝。 

 


ロウバイ,今(2)

2018-03-04 | ロウバイ

2月16日(金)。いくぶん高めの心地よい日中,ロウバイの花がやっと膨らみ始めました。これから繰り広げられるロウバイと訪花昆虫の物語を期待しています。

 

 

2月20日(火)。春を思わせる暖かさを感じました。やっと,やっと開花。

 

2月22日(木)。数輪開花。しかし,訪花昆虫は目撃できず。花に鼻を近づけると,一輪だけでも芳香が。「ああ,いい匂いだ」。

2月28日(水)。今年は確かに異常に見えます。これまでに,開いた花に昆虫がいるのを目撃したことがありません。もう盛りを過ぎている花もあります。どうなるのかなと心配していた矢先,目撃できたのがなんとオオハナアブ。びっくりしました。花弁に降り立っていただけなのですが,これが目撃第一号。

 

 

ゆっくり歩きました。 

 

 

しかし,花の中には入りませんでした。