




とにかくツマグロキンバエは逞しいと感じます。気温が上がり,真っ先に現れるのがツマグロバエという印象がとても強くしています。それで,観察機会がいちばん多くなります。
そのツマグロヒョウモンももちろん他の昆虫同様,活動は気温に左右されます。活動できるすれすれの境界領域で動きが鈍くなるのは止む無しです。しかしながらそんなときこそ,撮影者にとって絶好のチャンスになるのです。
以下,チャンスに巡り合い超接写で収めたショットをご紹介します。昆虫写真は眼がしっかり撮れていることがポイントです。
このときはわたしにまったく気づいていないようでした。
複眼に付いた花粉が粒状に見えます。
そっと,上からも撮影。
最大に近づいて撮りました。被写界深度がごく浅くなっています。
そっと前からも撮ることに。
まだ気づいていない様子。真正面からも。
なかなかすてきなモデルでした。
2月11日(月)。朝,雪模様。ロウバイをすっかり覆うばかりの雪。
2月12日(火)。曇りのち晴れ。雪はすっかり解けました。花を開かず萎れてゆく蕾が目立ちます。寒さに比較的強いロウバイも,寒すぎるとたいへんなようです。
花弁が蝋のようなツヤを放っています。
逆光を利用して見ると,また違った趣きが伝わって来ます。透明感が漂っていて,清々しいというか。
名残りに近い花に,ツマグロキンバエが一匹。からだには花粉がどっさり。
イエバエか,クロバエか,どちらかのなかまでしょう。ハエとしては大きめのからだ。個眼がとらえられたら,しめたもの。からだには花粉がどっさり。
別の,同じ仲間がいました。
歩いて移動。
気づかれないよう,そっとそっと観察し撮影するのが,接写のポイント。
さすがにハエのなかまは匂いに敏感。「今日はわりあい暖かな方だな」と思っていると,きっちり現れます。
頭を突っ込んだらしめたもの。摂食に夢中になっているときは,こちらにちっとも気づいていません。胸部と腹部の模様からイエバエのなかまかなと思われますが,どうなのでしょう。
花から出て来たら,複眼に花粉がかたまって付着していました。
このイエバエのなかまは,また別の種。胸部の色合いがちがっています。ロウバイの花をあちこち巡っているようで,からだにその証拠がしっかり残されています。
ハエと花とは,冬も強い結びつきがあるのが理解できます。
香りを放つロウバイ。
ハエのなかまはいちばん嗅覚が発達しているようで,真っ先に目に付くのがこのなかま。ノイエバエかセマダライエバエではないでしょうか。しめしめ,カメラが近づいていることに気づいていないようです。
剛毛や突起は送粉には好都合です。花を訪れる昆虫を見ると,昆虫と花との持ちつ持たれつの関係がよく理解できます。
ロウバイを植えて大正解。観察は冬のたのしみでもあります。
こういうごく小さな,注視しなくては目にもとまらない昆虫の同定は,わたしの手には負えません。
長い脚。スマートな体形。花に関心がありそうな様子です。
カのようなかたちですが,吻は突き刺し型ではありません。触覚は数珠が連なっているみたいです。
初めて見る虫の姿は,いつもふしぎを残してくれます。いったい何者か。
キゴシハナアブを見かけるなんて,なんとラッキーな。記憶をたどる限り,たぶん,ロウバイでは初めてです。
お椀状の複眼が目に飛び込んで来て,びっくり。
花に入って,摂食行動をしばし。
時間が経ってから別の花でも見かけました。先ほどの個体と同一のものか,わかりません。
これで越冬態は成虫とわかります。調べてみると,枯れ葉の下などで冬越しするのだそうです。新しい知見が得られました。感謝。