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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ミツバで見た幼虫・卵の成長(2)

2016-06-09 | アゲハ(ナミアゲハ)

6月8日(水)。昨日の雨が上がって,ミツバが緑を増した感じがします。キアゲハの卵は至って順調に変化しています。下写真は早朝撮ったもの。中にゼリー状のものが詰まっているかのよう。空気層も見えます。

 


右側に窪みができています。何かに押されてできたのでしょうか。

 


夕方見ると,激変。一方は黒々としてきました。


もう一方は,褐色が濃くなっています。白点が1つ。


6月9日(木)。午前6時30分。もっと黒くなっています。孵化が近づいていることが窺えます。


もう一方も,褐色ながらさらに濃さを増しています。心もち窪みが大きくなったみたいです。白点が増えています。


昨日を含め2,3日の間じっとしていた4齢幼虫が脱皮。終齢幼虫になりました。


夕方。変化はそれほど感じられません。


こちらは褐色の模様がぐんと減りました。中は濁ったような感じです。果たして,これで順調に孵化に向かうのでしょうか。

  


庭のアゲハ

2016-05-13 | アゲハ(ナミアゲハ)

5月8日(日)。

朝のこと。キンカンに木で見かけたアゲハの卵が孵化近くになっていました。薄い殻をとおして,からだがはっきり確認できます。 

 
「これは目が離せないな」と思い,しばらく経ってから見ると,下の方にぽっかり穴が。もう出られるほどの大きさです。

 
見ていると,そのうちにからだを無理に出すような恰好で出始めました。今回は,観察のタイミングのよさに自分ながらハッピーさを感じました。チャンスをよく逃してしまうことを思うと,感謝です。


午後,庭の湿った箇所にアゲハが1頭飛来。舞い降りたら,そのままじっとしています。吸水行動だと思い,カメラを手に近づいて行きました。思ったとおり吸水中でした。これはオスが見せる典型的な動きです。でも,このときは雌雄どちらか,未確認。 

 
間もなく舞い上がって,近くのレモンの木にとまりました。そして,腹部を葉裏にくっ付けるしぐさをしました。今度は産卵行動です。では,この個体はメス? それなら,先ほどはメスが吸水していたってこと? おかしい! 去った後,卵があるかどうかを見てみました。ありました。でも,卵が黄色を帯びていて産付後日が経過しているようにも思えます。この瞬間に,この個体が産んだのかどうかは正確には確認できていません。


こんな感じのアゲハの庭です。主役のアゲハが訪れる季節を迎えました。 

 


レモンの実,そしてアゲハの卵

2015-11-09 | アゲハ(ナミアゲハ)

庭にレモンの木が植えられている家を,ときどき見かけます。実が黄色く色づきかけているので,「ははーん,レモンだ」とわかります。その生り方は,とんでもないほどたわわです。

それに比べて,今年の我が家のレモンはダメです。春に咲いた花はほとんどが散り落ちてしまい,かろうじて何個あるんだろうかという程度の生り方です。

ところが,その後2回目の開花があって,それに結実の望みを託していたのでした。このことについては,当時記事にしました。あれから夏が過ぎ,実りの秋を迎えて,じつはびっくりする状況なのです。

期待どおり,どっさり生っています。ところが,最初の実と比べると,ぐっと小さめです。2回めの実は小さいときまっているみたいに,みんなが揃ってそうなのです。真にふしぎな現象です。それはともかくとして,これだけ生ったのは繁茂した葉が光合成によって養分をつくり,それが受粉に成功した実にどんどん運ばれていった結果なのでしょう。


熟したら,今年もまた知人にお届けできます。たのしみです。

つい先日のこと。そのレモンを見ていて,葉にアゲハの卵が付いているのを発見しました。一本の枝先に,なんと4個もの卵があるなんて! 卵は若葉に付いていました。産付するときに,アゲハにはその葉が幼虫に最適な餌になりうるとちゃんとわかっているようです。ほかにもないか,ちょっと探してみました。しかし,見当たりませんでした。


写真を撮っていて気づいたのですが,一つの卵に寄生バチが付いていました。小さいので,肉眼ではほとんどわかりません。卵を見つけて訪れた,その感度には驚かされます。といっても,ハチの大きさからすれば卵はずいぶん大きいので,案外見つけやすいのかもしれません。そう考えるのが順当な線でしょう。


さて,孵化して生まれる幼虫は冬を迎えるまでに蛹になるのでしょうか。注目に値します。

 


庭のレモンの木では今(1)

2015-10-11 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園にあるレモンの木。大して背は高くなく,今年やっと実が一つ生った若木です。それに,アゲハの仲間が結構訪れて卵を産付していきます。今秋はスゴイ状況です。アゲハ,クロアゲハ,カラスアゲハが一堂に会しているといったふうなのです。全部で10匹は数えるはず。

木から降りてあちこちで蛹化すると観察・撮影に差し支えるという,たった一つの,わたしの身勝手な都合を考えて,幼虫を葉ごとビニル袋で覆うことにしました。こうすると,袋の位置で蛹になるでしょう。 


そのとおり,まずいちばんに前蛹になったクロアゲハの個体があります。

10月7日(水)。個体を観察していたら,寄生バチのアオムシコバチが1匹。2年前の本ブログでも同じ場面を報告しました。 


どうやら体内に産卵しそう。あるがままの成り行きなので,そのままにしておくほかありません。 

 

 
10月8日(木)。前蛹が蛹に。帯糸が外れて,ぶら下がっていました。そして,昨日見た寄生バチがまだいました。

 

 
いずれ個体に異変が起こりそうな気がします。このまま順調に推移するとすれば羽化は来春になると思われます。 

 


アゲハの卵いっぱい

2015-07-21 | アゲハ(ナミアゲハ)

畑のレモンの木はアゲハがよく訪れる木です。もちろん産卵に。お蔭で,これまで度々観察の機会が得られ,わたしには魅力的な観察木になっています。

この間なんか,まったくびっくりする光景を目にしました。なんと,あちこちの枝に産付された卵がいっぱい。1個の枝も複数個の枝も。その枝は真新しく伸びたもので,柔らかい葉が数枚付いています。それを見つけて産卵しているのです。


中には,10個も卵が産み付けられている例も。その枝で,すでに孵ったばかりで殻の脇にいる幼虫を発見。そのすぐ隣りに,それこそ間もなく孵化しそうな卵がありました(下写真の矢印)。中が透き通って幼虫が見えるのです。ほかの卵はまだ白いまま。つまり,産卵時期にズレがあるということです。


さて,雨が降り出したので,孵化しそうな卵を撮影しようと思い,持ち帰ることにしました。幼虫が二匹,隣り合うというのは珍しいことです。これを画像に残しておこうと思ったのです。

水を入れたコップに枝を挿して,変化を見ていました。先に孵った幼虫が殻を食べかけた頃,間もなく孵ろうとするもう一つの幼虫が殻を食い破り始めました。


しばらくすると,頭を出して,そしてゆっくり出てきました。


隣りにいる幼虫の体色を比べると,いかにも初々しい感じが伝わってきます。

出終わると,そうすることが決められていたように殻を食べ始めました。


時間をおいて,別の卵も孵化。


この分だと,孵化がたっぷり観察できそうです。もちろん撮影もできます。感謝,感謝。

 


アゲハの蛹とアゲハヒメバチ

2015-07-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

壁に立てかけておいた竹に,アゲハの蛹が付いていました。

羽化をたのしみにして室内に持ち込み,そのときを心待ちにしていました。ところが,ある日見ると,からだにぽっかり大きめの穴が!  直径5mm。中は空っぽ。びっくりしました。寄生バチの被害に遭ったにちがいないことは想像できたのですが,ではいったいどんなハチなのか,さっぱりわかりません。


それで,とりあえず室内のあちこちを見ていきました。すると,偶然,ガラス戸に付いているハチが目にとまりました。「ははーん,このハチだな」と思い,写真に撮って調べることに。

 


結果わかったのは,アゲハヒメバチではないかということでした。説明には,アゲハに寄生するとの記述がありました。

このヒメバチが寄生していて,羽化後出てきたのかも。確実な証拠はありません。しかし,状況証拠としては“確実”に近いものが得られたように思います。事実とすれば,ずいぶん大きなハチが体内に産卵するものです。驚きです。

せっかくの機会なので,アゲハヒメバチのからだをくわしく撮影しておこうと思いました。以下,その中から,いくつかご紹介しておきます。

 

 
長い触角をしきりに動かしています。

 


「狩人だぞ!」っていうスゴミが伝わってきます。大した大顎です。 

 

 
頭部は意外に小さい感じ。その中で,複眼は十分に大きく見えます。単眼もチラッと見えています。胸部はいかにも運動器官の中枢といった雰囲気を醸し出しています。力強そうです。

 


印象にくっきり残る出合いでした。 

 


アゲハの前蛹(3)

2015-06-10 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの前蛹のその後について報告しておきます。

6月7日(日)。畑仕事に行ったついでに,蛹の様子を確認しました。色がどうも怪しい感じです。というのは,正常な色合いとは異なって,異常な黒っぽさが現れています。これはやはり,外敵の寄生によるのでしょう。

 


からだをよく見ていくと,ごく小さな穴がポッカリ一つ。

 


さらに,その穴からアリが出てきました。どうやら出入りしている様子です。

 


寄生バチが去ったあと,アリが目敏く見つけて訪れたのでしょう。

アゲハは受難に遭いました。ハチやアリは,それを餌にして生き長らえます。いのちはいのちを支えます。いのちはいのちによって支えられます

小さな世界の,大きな物語です。

 


アゲハの前蛹(2)

2015-06-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

前蛹を見かけた翌朝のこと。見ると,寄生バチがからだにぴったり付いて,じっとしていました。 やはり強い関心があるのでしょう。

 

 
時折,前蛹はブルッとからだを震わせました。きっとハチの感触が伝わって,刺激を感じたのでしょう。

 


同じ日の夕刻。見ると,蛹に変化していました。下の葉には,皮が脱ぎ捨てられていました。あの寄生バチの姿はどこにもありませんでした。 

 


この蛹から,成虫が無事に生まれてくるのでしょうか。さて。 

 


受難,アゲハの卵

2015-05-30 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園にキンカンが一本植わっています。その木に,アゲハが産卵に訪れます。卵を探すと見つかることがよくあって,日頃から関心をもって見ています。先頃,ほんの10cmの範囲内に卵が3粒もあったので,どれか一つでも孵化する場面を見たいなと思っていました。

そのうち1個が孵化。二つめがこれに続くだろうと期待していたところ,とんでもない結果になりました。じつは,寄生バチが中からでてきたのです。ルーペで見ると,ごく小さなハエが数匹卵の表面やら周辺にいるので,びっくり。卵を見ると,うんと小さな真ん丸い穴がぽっかり一つ。

卵の直径は1.5mm。 ハチの体長はその4分の1程度,すなわち0.4mmぐらいでしょう。とすると,穴はさらに小さくて,0.2mmぐらいでしょうか。

 

中をじっくり覗くと,ハチの姿がありました。これから出てくる成虫です。


結局,中から,この成虫が出てくる瞬間を見届けることはできませんでしたが,こんな小さな卵にも,天敵が産卵していたというふしぎを深く感じました。 

 
こういう出来事は,もう顕微鏡で迫るほかない小宇宙での話。自然の実態って,ほんとうに深く,広く,限りないものです。 

 


アゲハの前蛹(1)

2015-05-17 | アゲハ(ナミアゲハ)

果樹園ではレモンの花が満開です。近くによると,匂いが辺り一帯にぷうんと漂っています。ハナバチをはじめ,いろんな昆虫たちが訪ねて来ています。

ツマグロキンバエはどこでも見られる常連中の常連。日が傾いた夕刻も見かけます。 

 
小さな昆虫も大きな昆虫も訪れます。小さな昆虫にも,密かに待ち構える小さなクモがいます。おいしいご馳走がいっぱいなので,吸蜜に夢中になっていると,ものの見事に捕らわれの身になります。


レモンの木のすぐ脇。雑草が生い茂っています。偶然見つけたのですが,イネ科植物の茎にアゲハの前蛹が一個体。 春に孵化したものがもう前蛹だなんて,なんと成長の早いこと。


せっかくなので写真を撮ることに。ファインダーを覗いていてびっくり。小さなハチが一匹いるではありませんか。紛れもなく寄生バチの一種でしょう。前蛹個体にとても関心があるようで,飛び去る気配はまるでありませんでした。 


様子を窺いながら,幼虫のからだに卵を産み付けるのでしょう。この後,どんな展開になっていくのか,気にしておこうと思います。