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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

またクロアゲハ,産卵と孵化(3)

2017-08-29 | クロアゲハ

8月28日(月)午後8時。産卵後,78時間が経過。

中の動きがよくわかります。あと数時間で出てきそう。

 

向きを変えて撮りました。からだの毛がとてもよくわかります。

 

深夜になっても孵化せず。これ以上は観察不可能と判断。まだ他の卵があるので,それの孵化を昼間に観察することにしました。なお,上の卵は午前2時前後に孵化したようです。産付後,84時間(3.5日)が経過したことになります。

翌朝写した幼虫は体長3mmでした。突起やら毛やらでからだを包み,防御態勢を整えています。

 

無事に育ちますように。

 


またクロアゲハ,産卵と孵化(2)

2017-08-28 | クロアゲハ

8月27日(日)。午後2時。産卵後48時間が経過。赤褐色の紋様が多い少ないか,そのちがいはありますが,順調に推移しているように思われます。複数の卵を手元において観察するので,変化の見逃しはないでしょう。これは大助かりです。

紋様がたくさん。

 

紋様が少ない例。

 

卵の頂点に紋様があります。卵は葉にしっかり接着されています。

 

表面はこれだけ凸凹しています。

 

8月28日(月)。午後2時。産卵後72時間が経過。薄っすらと影が見えかけた卵があります。じっと見ていると,褐色紋様が大きく回転しました。びっくり!

 

 

 


またクロアゲハ,産卵と孵化(1)

2017-08-26 | クロアゲハ

8月25日(金)。午後2時。車庫前にあるスダチの前を通りかかると,偶然,クロアゲハが産卵行動を続けているのを目撃。わざわざ重なった枝の下側,薄暗くなったところを産卵場所に選んでいる様子が窺えました。そこなら外敵の目から逃れやすいという判断が本能的にはたらいているのかもしれません。

産卵を終えると,キンカンの木に移っていきました。わたしはそれを追って産卵を見守りました。キンカンでも同じように,陰のところで産卵しました。

 

クロアゲハが去った後,卵を見ていきました。そこには,クロアゲハの卵らしい特徴,ややざらついた表面をもつ卵が一個ずつ産み付けられていました。卵の直径は1mmです。

 

再び,孵化を観察できるチャンスが巡って来ました。

8月26日(土)。午前8時。産卵後18時間経過しました。どの卵にも,中ほどから上の部分に赤褐色の帯模様が見え始めました。

 

表面はかなりざらついているのがこの卵の特徴です。

 

さて,これからの変化をたのしむことにしましょう。

 


クロアゲハ,孵化へ(3)

2017-08-19 | クロアゲハ

最初に発見した卵は順調に変化。中が透き通って,からだが確認できます。こうなると,気を抜かずに観察を続けるしかありません。下写真は午前中に撮影。 

 

午後になって,殻に穴が開き始めているのに気づきました。いよいよ誕生です。

 

一旦穴が開き始めると,どんどん穴が大きくなりました。相当顎の力が強いのでしょう。間もなく,頭を出しました。顎も側単眼もはっきり見えます。卵の直径は1mm。

 

特徴のある突起が出て来ました。

 

このアングルでは全体を撮れないので,急いでカメラの位置を変えました。着地する瞬間です。 

 

完全にからだが出終わりました。

 

ほんのしばらくすると,卵殻に向かいました。そうして,どんどん食べていきました。

 

顎でくわえている様子がわかります。それにしても,なんとツヤのあるからだでしょう。

 

この幼虫の孵化は昼間で,しかもその瞬間を待ち構えて神経を集中していたので,観察・撮影条件としては最高でした。

残りの卵が2個あります。現時点ではクロアゲハのそれかどうか不明です。もしクロアゲハのものだとすれば,もちろん撮影を続けようと思います。 

 


クロアゲハ,孵化へ(2)

2017-08-16 | クロアゲハ

発見当日。卵の一つを取って室内で観察中,外敵の虫がいることを発見。卵が被害を受けていないように願うばかり。

 

それを退治しているうちに,卵が葉からポロリ。やむなく葉の上に置いて観察することにしました。底面な薄い膜があるように見えます。なんとも頼りないばかり。

 

発見翌日。底はずいぶん窪みました。異変でも起こっているのでしょうか。

 

全体を見ると,もっと大きな変化があってもおかしくないのに,といった感じです。

 

 

翌日見ても,あまり変化はなし。

ところが,その翌日。なんと無事に孵化したのです。見たのは孵化後。前日の様子から,すっかり成長が止まったとばかり思っていました。

 

 

よかった,よかった。それにしても孵化がかなりおそくなったように,わたしには思われます。底面が窪んだのは,そこが薄いためでしょう。葉面に密着していたら,葉の硬さが助けになって変形しないはず。初めて知る卵のしくみです。

 


クロアゲハ,孵化へ(1)

2017-08-15 | クロアゲハ

自宅にて。スダチの葉で偶然クロアゲハの卵を発見しました。クロアゲハのそれに違いないのは2個。もう一つあるのですが,今のところ不明です(下写真)。

 

卵が付いた葉の近くで,幼虫を見つけました。これまでアゲハの撮影で忙しかったので,なんだか新鮮な感じがします。

 

 

幼虫を接写しました。まさしくクロアゲハの幼虫です。

 

 

さて,卵には赤みかかった褐色の紋様が見えています。孵化に向かって確かな変化が進んでいるようです。

 

 

もう一つの卵も同様です。同じときに産み付けられたのかもしれません。

 

 

孵化までを追ってみようと思います。

 


クロアゲハ,羽化!

2017-05-10 | クロアゲハ

長ーい蛹期を経て,ついに羽化。クロアゲハがスタイルよし,配色よしの優雅な姿を披露しています。ふしぎなほどの自然美。いいなあ。 

 

 
貴重な機会を生かして接写。いつも,どんな生きものも頭部がポイントです。からだを覆う毛の密集度からはあらゆる自然環境に適応していく高度なしくみが伝わって来ます。濡れても,ものが触れても,気温の変化にも,……。

 


個眼の集まりと口吻がよく見える位置から写すと……。 

 


もっと近づくと,今度は,口吻のふしぎが見えて来そう。単純なストローでなく,なかなか巧妙にできているようです。頭部を占める複眼の役割だって大したものと合点。「ほほーっ! これはすごい! 」。

 

 
接写はふだん意識しない世界を拡げて見せてくれます。

 


意外なところにクロアゲハの蛹が

2016-03-30 | クロアゲハ

春を迎え,温室内の除草・整理をしておこうと思い,作業中のときのこと。鉢に植えたクンシランの葉先が霜害で枯れているので,その部分を取り除いていました。

そのうちの1つの鉢で,葉裏にクロアゲハの蛹が1つあるのを発見。その個所には吐糸が葉の表面にどっさり付いていて,帯糸が葉から外れないように頑丈に作業をした様子が窺えます。 

 
ふしぎでもあり,驚いたのは,この場所に幼虫がやって来て蛹化したという事実です。ここは室内です。つまり,周りはガラス張りで,出入り口だけが日によっては開閉されているというところです。その出入り口の外側およそ5m離れたところにレモンとキンカンの小木があります。この木にいた幼虫が遥かここまで歩いてきたとしか考えられません。谷を越え,山を越え,という長旅だったと想像できます。

植木鉢は地面から50cmの高さに置いたコンクリート台に並べています。台の支えはコンクリートブロックで,橋げたのようにして置いているのです。そこを登って,ここにたどり着いたのでしょう。

それに,スゴイことがあります。同じ鉢で別の蛹をもう1つ見つけたのです。指が触れて落下してしまいましたが,同じように葉裏に付いていました。その蛹は外敵に襲われていたようで,中で宿ったいのちが出ていったと思われる穴がぽっかり開いていました。


長旅をして,偶然同じ場所で蛹化していたという事実は,わたしには,小さくてもでっかい驚異です。 

 


クロアゲハ,越冬蛹の受難

2016-03-15 | クロアゲハ

アゲハの庭園にあるレモンの木で越冬中の蛹については,すでに記事にしたとおりです。


この蛹に大事件が発生しました。


3月14日(月)。なんと無残なことに,2つある蛹のうち1つが外敵に襲われていのちを失っていたのです。この失い方が,なんとも壮絶といったらいいか,「ひどい!」のひとこと。

葉が適当に付いて外敵からはよく見えない位置にあったのが,葉がことごとくなくなっていて,その枝に尾端を付けたまま逆立ちしてぶら下がっています。木の枝のうち,その辺りだけ葉がないので「おかしいな」と思い確かめてわかったのでした。足元には葉が散乱状態。一方の蛹は葉で隠れていて幸い見つからず,そのまま。

襲われた個体を調べると,横から突っつかれたような形跡が残っています。硬い殻に穴を開けて,その穴を拡げるようにしながら中身を取り出した外敵がいたのです。


わたしにこころ当たりがあるといえば,ヒヨドリです。それなら毎日のように庭を訪れます。餌を求めているはずで,前,庭の脇の道ではなにやら苔をひっくり返して餌を探しているのを見かけたことがあります。ミミズを探していたのかもしれません。


さらに,この日,コンポスト側面にあったジャコウアゲハの蛹がなくなっていることに気づきました。これもヒヨドリのやったことでしょう。観察を続けてきただけに残念。

そんなことを思って,改めてこじ開けられた穴を点検すると,穴の上の方には力が加わって壊れた殻が裂けめをつくっており,下の方には剥がれかけた殻がかろうじてくっ付いて残っている箇所があります。こうした事象は,嘴のように鋭く尖ったものが当たったことでできたものと想像できます。


ヒヨドリはまちがいなく蛹の天敵なのです。冬を越して,もうすぐ羽化だというのに,かわいそうな結末を迎えてしまいました。

残る1個体については,自然任せで放っておくのでなく,観察者の目に立って袋を被せ保護しておこうと思います。

 


蛹越冬,クロアゲハ

2016-02-13 | クロアゲハ

昨秋,レモンの木にはアゲハやクロアゲハの幼虫がたくさん棲んでいました。それを1個体ずつビニル袋で保護して観察している途中に,袋の隙間から出てしまったり行方不明になったりして残ったのがほんの2個体。どちらもクロアゲハで,その蛹が細枝でひっそり。 

 


これらがいったいどんな環境で生きているのか,そこまで表現するにはやはり「虫の目レンズ」を通すのがサイコー! 1つは,葉柄に帯糸を付けてからだをしっかり固定しています。葉の下側なら,鳥などの天敵や悪天候から身を守りやすいでしょう。撮影したのは夕方近くのことでした。静かな静かな環境で安心して春を待っている雰囲気が伝わってきます。 


この庭は,花壇をふつうに配置したつくりですが,昆虫を招く工夫をいくつかしています。といっても,繰り返し記事で取り上げているように昆虫の食草・食樹に気を遣っているだけですが。それがこのような風景をプレゼントしてくれているのです。