矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

かなり心配な国際情勢ではないでしょうか?

2010-11-05 12:40:45 | グローバリゼーション関連
最近のニュースで、日本が、中国やロシアから牽制される自体が相次いでいます。

TPPという環太平洋自由貿易協定にも、参加するのか、しないのか、もめている、、と。

工業製品の輸出と、農産物の輸入では、政策が180度反対で、どう対応すべきでしょうか。


農業政策を抜本から、考え直すチャンスなのではないか、と直感的に感じています。

食料を自給することは、先進国として「必要不可欠なサバイバル能力」と思います。

しかし、そうこうしているうちに、韓国や中国に追い越され、抜かれています。


今年は、仕事上、ヨーロッパ、アジア、北米と、世界のいろいろな大陸を訪れました。訪問先は、ホテルと大学と学会会場などがメインでしたが、それでも、世界のなかの Japan as No.1. というのはかなり崩れていることを実感しました。

ヨーロッパの空港(London, Glasgow, Amsterdam)では、テレビモニターは、すべてSamsung. ホテルのTVもSamsung.

タイ・バンコクの空港の目覚ましい発展に驚愕し、ここはどこだろう、という印象を持ちました。成田よりもはるかに立派で広く、高級品の店が並び、”世界有数の空港ショッピングモール”として貫禄を見せている印象がありました。

タイの大学構内で、Wirelessネットワークが完備し、非常に活発でacademicなカリキュラムを提供している状況に感動するぐらいでした。

カナダは当然ながら、「住みやすい、人にやさしい」制度が完備していますよね。街中、完全に禁煙。レストラン・パブも禁煙。
カナダバンクーバーの一流ホテルでも、TVは、韓国製のLG社のものでした。

学会会場でも、まだ少数派でしたが、iPADを持ち歩きインターネットでスケジュールを確認したり、という光景が「ふつう」になっていました。完全にpaperless. IDSAでは、abstractの冊子はなく、PDFファイルをUSBで配布。太い冊子を持ち帰らなくてよいので楽です。

おりしも、最近、日本の低迷を察知しているのか、隣国に「意思決定の遅さ、不明瞭感」をつかれたような出来事が連発しました。私はとても懸念感を抱いています。

日本が、意志表明を明確にしなければ、世界から無視されほうっておかれるか、世界は日本を踏み台にしてくる、という心配です。

日本の若者が、国外の大学、大学院へ留学する機会が減っていると報道されています。これは翻って、
「国際的な観点から、外国人に対して、どのような言動、態度、行動で対応すべきか」を判断・実行できる人材が減るか、欠如することを意味しています。

国際交渉の舞台では、英語を中心とした表現が基準になりますので、英語での戦略的な言い回し、行動は、現地で現地人と対等に渡り合った経験がなければ、なかなか身につけることはできません。

また、国際舞台での「意志決定者」が、30-40歳代であることも注目に値します。

以前、友人からスエーデンの環境政策のとても大きな意志決定者として、29歳の人が登用されていたことを教えてもらったこともあります。


米国、ロシアの大統領は40歳代です。また、大企業のCEOも欧米では40歳代はふつうですよね。

米国の大学のprofessorは、医学部に関して言えば、一般に、通常40歳代でprofessorになれなければ、
大学からは去っている状況です。

(22歳大学、26歳医学部、研修が5-7年としても、33歳ぐらいでassistant professor.
その後、6-7年で昇進するか、辞職するか、Up or Outの選別がありますので、10-14年目にはprofessorになります。40歳代ですね。

政治の場でも、経済でも、金融でも、大学でも、そのときの”勢いがあり、旬である人材”をタイムリーに登用し
組織・思考イノベーションを行っている国が、やはりこのグローバル時代を生き残るのではないか、というのが
この1年での私のかぎられた観察を基にした結論です。



だからこそ、私は若手の方がたに、がんばってほしいなあ、と思っています。
それに関連して、若手医師の応援のためのプライベートな会を立ち上げました。

日本の底力を、いまこそ、みんなで発揮しませんか! と感じています。


今日は、青森へ。。。。

2010-11-05 12:33:07 | 感染症関連
今日は、午後から、青森県の卒業生の先生がたの研究会にお伺いします。

青森は、私が、帰国後「はじめての教え子の卒業生」のなかで、抗菌薬の使用法にとても興味を持ち、卒業後、研修先で、感染管理の業務などに積極的にかかわった先生のご好意で、この4年間ほど毎年お伺いしています。

今年ですでに4回目です。

このようなすばらしいリーダーシップを発揮する人材となられ、とても頼もしい限りです。偶然、先日学内にお越しの際にお会いできたのでとてもよかったです。

青森は、もう寒いのかなあ、と思いつつ。また、大間のマグロで有名な場所でもあり、ご好意で八戸の魚市場に立ち寄る予定です。楽しみにしています。

昨年は、八戸の新幹線駅で、とっても粋なりんご売りのおばさんがいて、数種類のりんごをいろいろ説明してくださいました。

青森のりんごは、「奇跡のりんご」で有名な、無農薬りんご栽培を実現した方の本を読んで以来、「かみしめて食べる」ようにしています。

りんごをいくつか買って帰りたいです。