mRNA vaccine quality analysis using RNA sequencing
『RNA配列決定による、mRNAワクチンの品質分析』
We performed RNA sequencing of mRNA vaccines that include N1-methylpseudouridine (see ‘Methods’). We prepared both short- and long-read sequencing libraries from the modified mRNA. These libraries had lower yields (~50%) than matched, native mRNA vaccines, suggesting the modified nucleosides reduced the efficiency of cDNA library preparation (Fig. S9d).
N1-メチルシュードウリジンを含むmRNAワクチンの配列決定を行った。修飾mRNAの、ショートリード配列ライブラリーとロングリード配列ライブラリーの両方を作成した。これらのライブラリーは、配列が同じ未修飾mRNAワクチンと比較すると、収率が低く(約50%)、修飾核酸がcDNAライブラリー作成効率を低下させていることが示唆される(図S9d)。
この実験結果は、N1-メチルシュードウリジンを使用したmRNAを、逆転写酵素を使ってcDNAに逆転写しPCRで増幅する工程の効率が、普通の修飾の無いmRNAと比較すると、半減していることを示しています。
修飾ウリジンの使用が影響を与える部分は、逆転写の過程ですが、
(1)逆転写酵素が修飾ウリジン含有mRNAと結合しにくい
(2)相補DNAのアデノシンが修飾ウリジンと会合しにくい
のどちらかが原因だと思います。
(1)酵素の活性サイトに結合できるかどうかは、他の3つの核酸と比較して、修飾ウリジンでも分子のサイズや電荷分布のサイズに違いはさほどないので問題はないと思われます。
もしも、修飾ウリジンが、グアノシン(G)とも会合することになると、修飾ウリジンがアデノシンと会合する確率は半減します。
つまり、cDNAライブラリー作成の効率が半減しているのは、修飾ウリジンがCと間違えられてGに会合してしまうからなのではないかと思っています。
cDNAライブラリーのエラーはないということなので、ミスマッチを起こすほどには強く結合していないのかもしれません。
あるいは、mRNAの2次構造が安定過ぎて、逆転写の速度が遅くなっているだけかもしれませんが。
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