以下は、サーバリックスの後、筋萎縮性側索硬化症を発症して亡くなった女の子の症例報告です。
家族歴なし、遺伝子変異あり。
HPVワクチンは、一部の人たちにとっては、本当に危険なワクチンであることを理解してください。
もしワクチンを接種しなかったら、発症はもっと遅れていたという可能性はありませんか?
イギリスでワクチン接種後数時間後に亡くなった女の子も、腫瘍がありましたが、接種した日も学校に行ける程度には健康でした。
( 単独 接種 ・症例 No. 1 )
1. 報告内容
(1) 事例 10 歳代 の女性。 平成 25 年 4 月 5 日、 A 医院にて組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒 子ワクチン(イラクサギンウワバ細胞由来) 1 回目を単独接種。 5 月 1 日、 A 医院にて組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン (イラクサギンウワバ細胞由来) 2 回目を単独接種。
2 回目接種後、左手で物が持ちにくい時期があった。それ以前に、筋力低下、 四肢の痩せ、球麻痺等が認められたことはなかった。
10 月 26 日、 A 医院にて組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチ ン(イラクサギンウワバ細胞由来) 3 回目を単独接種。接種前体温 35.1 °C 。 11 月 1 日、右下肢、左下肢、両上肢、体幹、頚部の順に、亜急性に筋力低下 が出現。 12 月 20 日、 B 病院を受診。 平成 26 年 1 月、書字困難となり、小さな段差を越えられなくなった。 症状が悪化し、 C 病院を紹介され、 1 月 10 日に初診。
2 月、立ち上がる際、全介助が必要な状態となった。
3 月 6 日、 C 病院へ入院。 球 麻痺を含む 下位運動ニューロンの障害が認められ た。上位運動ニューロン障害を疑う症状は認められなかった。 神経学的 所見では 脳 神経領域は正常。 四肢 の近位筋優位の筋力低下、筋萎縮 が認められた。 Lasègue 徴候 は陽性 、 錐体路 徴候は陰性 であり、感覚障害は認め られなかった。 神経伝導速度検査で軸索変性とされ、筋電図検査により、慢性活動性の脱神 経所見、エコー検査により、線維束攣縮が認められた。 MRI 検査にて 頭部及び脊髄は 正常。 髄液検査 にて IgG index は 0.77 と 軽度上昇 。免疫介在性のニューロパチーが疑われ、 3 月 31 日から 4 月 4 日まで、免疫グ ロブリン大量療法( IVIG )が実施されたが、症状は進行性であり、改善は見ら れなかった。
4 月 18 日、 C 病院を退院し、 5 月 8 日、再入院。 5 月 9 日から 5 月 19 日まで、 IVIG が実施されたが、改善せず。 脊髄性筋萎縮症の SMN 遺伝子検査が実施されたが、変異は認められなかった。
6 月 5 日から 6 月 7 日まで、ステロイドパルス療法を実施。
6 月 8 日、プレドニゾロン 30mg/ 日の内服開始。
6 月 18 日から 6 月 20 日まで 、ステロイドパルス療法を実施。 6 月 頃 、 寝返り 困難となった。 7 月 12 日、 C 病院を一時退院し、 7 月 16 日、再入院。 7 月 18 日、単純血漿交換療法を開始。 7 月 23 日、呼吸筋の筋力低下による呼吸不全となったため、二相式経鼻的持 続陽圧呼吸療法( BIPAP )による呼吸管理を開始。 8 月 1 日、単純血漿交換療法を終了。 8 月 4 日から 8 月 8 日まで、 IVIG を実施。 遺伝子検査により FUS 遺伝子 P525L 変異陽性と判明し、 筋萎縮性側索硬化症 ( ALS )と診断された。リルゾールの内服開始。 8 月 30 日、左上腕に末梢挿入型中心 静脈カテーテルが挿入された。 9 月 3 日、 C 病院を退院。 退院後は、 BIPAP による呼吸管理下において経過は順調であり、 少量 の 経口 摂取 や 会話が可能であった。 12 月 3 日、軽度の呼吸困難感が認められた。 12 月 4 日、呼吸困難が続いており、病院へ搬送された。病院到着時は無脈性 電気活動の状態であり、その後、死亡確認。死因は呼吸不全とされた。 剖検にて認められた神経病理学的所見は以下のとおり。
( ア ) 肉眼的所見 脳重 1170g 。大脳、脳幹、小脳は異常なし。脊髄前根の高度の萎縮。後根は保 たれていた。横隔膜中等度~高度萎縮、腸腰筋高度萎縮。舌萎縮は軽度。
( イ ) 組織学的所見 ① 好塩基性封入体病 下位運動ニューロン:頸髄、胸髄、腰髄の前角細胞は高度脱落。舌下神経核、 顔面神経核の脱落は軽度。好塩基性封入体(大きさは核と同程度、球~馬蹄形、 辺縁は整~房状)。 FUS に強陽性、 TDP - 43 陰性。 上位運動ニューロン:中等度の Betz 巨細胞の脱落、高度の側索淡明化。 その他の領域:運動神経系の領域以外には、神経細胞脱落は認められなかっ た。海馬病変なし 。封入体は、動眼神経核、黒質、脳幹被蓋にも認められた。 ② その他 神経原線維変化、老人斑、レビ-小体、顆粒、脳アミロイドアンギオパチー の所見は何れも認められなかった。脊髄前角にミクログリア浸潤が多数認めら れたが、リンパ球浸潤はわずかであった。 以上の結果は、典型的な好塩基性封入体病の所見であった。他の好塩基性封 入体病の症例にも、脊髄等には少量のリンパ球は存在するため、組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギンウワバ細胞由来)の 関与を示唆する明らかな病理所見は認められなかった。
(2) 接種され たワクチンについて 1 回目:組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギ ンウワバ細胞由来)( GSK AHPVA164AA ) 2 回目:組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギ ンウワバ細胞由来)( GSK AHPVA164BB ) 3 回目:組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギ ンウワバ細胞由来)( GSK AHPVA164AA ) (3) 接種時までの治療等の状況 ALS の家族歴はなく、家族の遺伝子診断は実施されていない。 出生体重 1600g 。 2. ワクチン接種との因果関係についての報告医等の意見 主治医:当初は、 組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イ ラクサギンウワバ細胞由来) の副反応と積極的に考え、 IVIG やステロイドパル ス療法を施行したが改善なく、その後、 FUS 遺伝子 P525L 変異陽性が確認され、 ALS と診断した。この遺伝子変異を有する ALS は若年性で激烈に症状が進行す るという特徴があるため、経過として矛盾しない。 FUS 遺伝子 P525L 変異の約 半数は新生突然変異であることが知られており、患者の P525L 変異も新生突然 変異の可能性 が高い。 組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギンウワ バ細胞由来) を接種していなくとも発症した可能性が高いと考えるが、症状の 発現と接種のタイミングの観点から、接種がトリガーになった可能性や、症状 を加速させた可能性は否定できない。
3. 専門家の意見
○ A 医師: 組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギンウワ バ細胞由来)を 3 回接種後に四肢、体幹、頸部の順で亜急性に筋力低下が出現 し、ステロイドパルス療法、血 漿 交換療法などの治療を行ったが効果なく、 BIPAP による呼吸管理が必要な状態となり、呼吸不全にて死亡された女性患者。 患者の FUS 遺伝子に P525L 変異が認められたことから、 運動ニューロンへの 蛋白凝集を特徴とする ALS の一病型である好塩基性封入体を伴う若年発症型 ALS と確定診断された。 また、中枢神経系や脊髄神経の病理学的検査にて 典型 的な好塩基性封入体病の所見が認められ、組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイ ルス様粒子ワクチンの関与を示唆する明らかな所見は認められなかった 。 以上より、ワクチン接種と全身の筋力低下による呼吸不全 の発症 とに時間的 前後関係はあるが、 ワクチン接種が全身の筋力低下による呼吸不全を直接引き 起こした可能性は低く、 若年に発症して 急速に進行する ALS (好塩基性封入体 を伴う若年発症型 ALS ) が本患者の臨床経過の主たる原因 と考えられる 。
○ B 医師: 本例は fused in sarcoma ( FUS ) 遺伝子に病的変異があり、病理学的にも好塩基 封入体があり、 ALS との診断に間違いはない。ワクチンとの関連はみられない。
○ C 医師: 主治医の意見 にあるように、 組換え沈降 2 価ヒトパピローマウイルス様粒子 ワクチン(イラクサギンウワバ細胞由来) を接種していなくとも FUS 遺伝子 P525L 変異だけで発症した可能性が高いと考える。症状の発現と接種のタイミン グの観点から、接種がトリガーになった可能性や、症状を加速させた可能性は 否定できないものの、「 2 回目接種後、左手で物が持ちにくい時期があった。」、 3 回目接種後「右下肢、左下肢、両上肢、体幹、頚部の順に、亜急性に筋力低下 が出現。」という記載についても、実はその間一過性にも筋力が回復せず、誘因 となったことを思わせるような段つきの筋力低下の所見がない(あるいは他に 持続的な筋力低下を示唆する日常生活経過がある) ならば、 FUS 遺伝子 P525L 変異に矛盾しない 病理所見と一緒に考え合わせてもワクチンが誘因となってい る可能性はより小さいと考える 。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます