最近の報告では82型がハイリスクになっているので、ガーダシル9でも、もう時代遅れかもしれません。
ブラジルの女子大生では、ハイリスクHPVの中で、82型に感染している人が、16型と共に最多となっています。
Prevalence of type-specific HPV among female university students from northern Brazil
ワクチン接種が始まる2年前に、
ブラジルの女子大学生265人から採取した子宮頸がん用の検診サンプルからHPVの型を検出した結果です。
下のグラフで、濃い色は、複数の型が感染していたサンプルです。
265人中、18型5人、16型7人、そのうち、他の型にも感染していた人数は、それぞれ5人と6人でした。
以下が、ハイリスクとされています。
HPV 16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59 and 68
中等度異形成、高度異形成、上皮内(扁平上皮)がん (HSIL) が、256人中6人(2.3 %)
HPV感染、軽度異形成を推定(LSIL) が、17人(6.4 %)
軽度の扁平上皮系の異型があるが病変を推定するのは難しい (ASCUS)が、14人 (5.3 %)
高度の扁平上皮系の異型があるが病変を推定するのは難しい(ASCH) が、1人 (0.4 %)
他の227人は、異常なしでした(85.7 %)
HPVのどれかの型が検出されたのは67人(25.3 %)
細胞診で異常なしで、HPVが検出されたのは 23.4 % (53/227)
細胞診で異常ありで、HPVが検出されたのは 36.9 % (14/38)
細胞診で異常があってもHPVが検出されなかった人が、63.1% いたということです。
高リスクのHPV型に感染していたのは26人(9.8 %)
ワクチンで効果のある16型と18型に感染していたのは12人、
ワクチンで効果の無い高リスクHPV型に感染していたのは20人(77 %)でした。
つまり、ワクチンの恩恵をうけるのは、26-20=6 の 6人です。
256人中、6人にのみ有効であろうワクチンという結果がでています。
ブラジルでは、ワクチン接種は、2014年3月に始まりました。
追記: その後、オイルの価格が下落して、国家歳入が減ったため、HPVワクチンの接種回数を2回に減らすことにしました。
サイエンスベイスドメディスンの鑑です。
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