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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

需要が少なくても、必要なモノ・コト-企業の社会的使命-

2008-06-23 11:57:01 | マーケティング
朝日新聞のWEBサイトに傷跡を目立たなくするメーク普及に力という記事が掲載されている。
今回は資生堂の試みが記事となっているが、このような圧倒的に需要が少なくても、企業が社会使命として積極的にやらなくてはいけないことがある。

そして、(おそらく)拙ブログを始めた頃に紹介させていただいた、オリリー・カバーマーク社(現グラファラボラトリーズ社)の話を思い出した。
「カバーマーク」という社名が現すように、怪我ややけど、病気などによる色素異常などで、顔や体にある傷や痣を隠すファンデーションを製造・販売をしていた。
もちろん、一般メイクアップ商品も販売をしていたのだが、傷や痣などを隠すためのメイクアップ商品は、圧倒的に需要が少ない。
そのため、販売中止を決めたところ、多くのユーザーから「この化粧品があることで、人前に出ることが出来るのです」、「単なる化粧品というのではなく、私には勇気を与えてくれるモノなのです」という声が多く寄せられ、販売継続を決めたという話だ。
この話は、マーケティングという仕事に携わる人であれば、男女関係なく知っている話だろう。

今ではこのような化粧品の分野を「医療化粧」だとか「セラピーメイク」と呼ばれ、医療の現場でも注目されているという。
美容家かずきれいこさんが提唱しているメイク方法といえば、わかりやすいかも知れない。

企業には、このように圧倒的なニーズが見込めなくても、社会的使命を持って製造販売しなくてはいけないモノ・コトがあるのだ。
一見地味な企業活動ではあるが、このような事業や先日エントリした「ソーシャルイノベーション」に積極的な企業が、生活者から高い信頼を受け、発展していくというコトを日本のトップ企業も真剣に考える時期にきているのだ。

ご連絡とおことわり

2008-06-23 00:35:25 | アラカルト
以前、ご連絡させていただきましたが、最近また多くなってきましたので改めて、ご連絡とおことわりをさせていただきます。

拙ブログへのトラックバックやコメントについては、一旦内容を確認させていただいた上での公開とさせていただきます。
理由は、アダルトやアフェリエイト目的、マルチ商法などへのサイト誘導を防ぐためです。
ビジネス系のブログではありますが、拙ブログでは「儲け話」などは一切公開する予定はありません。
というのも、折角拙ブログにきてくださる方へのご迷惑や不快感を考えてのことです。

また宗教などについても、おことわりを申し上げます。
宗教そのものについては、あくまでも個人の考えとして行動すべきモノと考えております。
過去、ダライ・ラマ14世についてのエントリをさせていただいていますが、宗教家としてではなく思想家もしくは哲学的思考者としての内容とさせていただいています。
もちろん、宗教が思想や哲学に及ぼす影響は大きいと考えますが、宗教ありきの思想や哲学であってはいけないと考えておりますし、ビジネスと宗教は相容れないモノとして考えています。

ビジネス系ブログの中では地味で、アクセス件数もさほど多くあるわけではありませんので、無駄な時間と労力を費やすだけで効果は期待できないということも、重ねてご連絡いたします。

以上のような点をお含みいただき、様々なご意見や考えが自由に公開できるビジネスブログとしていきたいと考えております。
ご理解いただきますようお願いいたします。

ターシャさんという生活スタイル

2008-06-22 08:20:25 | ライフスタイル
一部の女性の間で、とても人気のあった米国の絵本作家、ターシャ・テューダーさんが亡くなっている。
拙ブログにきてくださる方は、男性諸氏が多いと思われるので「ターシャ・テューダーさんて、誰??????」状態だと思っている。
ここ数年流行している「スローライフ」や「LOHAS」的生活の体現者というと、分かっていただけるだろうか?

ここ2、3年の間で、書店のガーデニングなどのコーナーで、著書を良く見かけるようになり「赤毛のアンのような生活をしている人」という印象をもっていた。 
そんな私の印象よりも、はるかに人気がある存在だったようで、イロイロな雑誌などでも特集が組まれていた。
ヴィトンのバッグを持った女性が、ターシャさんの本を熱心に読んでいるという姿(=ブランド信仰の象徴と否ブランドの象徴が一人の中に混在している)は、日本ならではの光景のように思えた。

というのも、ターシャさんの日常生活を写真集化した本などを見てみると、日が昇る頃に起き、手作りの服を着て、自家農園の手入れをし、農園で収穫した果物でジャムを作る。その間に自家農園の風景を描き、絵本を書くというようなライフスタイルは、素敵でエコロジーなコトとしては分かってもそれを実践するには難しい。
結局のところ、ターシャさんが着ているような小花柄のフラットカラーのワンピースやエプロンを買い求め(「自分で作らない」というのがポイント)、猫の額ほどの庭かプランター・ガーデニングを楽しむという、ターシャさん的生活を味わった気分に浸るというのが精一杯なのだ。

本当のターシャさんの魅力というのは、そんなコトではなく「(肩の力が抜けた)自然と上手に付き合う」という姿だったのではないだろうか?
「エコ」だとか「自然環境保護」という言葉を免罪符のようにしながら、暴力的に自分たちの主張を繰り広げるコトに、違和感を感じた女性たちにとって「昔ながらの丁寧な生活」に憧れていたのだろう(あくまでも「赤毛のアン」的というのがポイント)。

何も「エコ替え」をする必要はない。
節電をするために、チョッと早起きをし明るい間に仕事を片付け、テレビを付けずにゆっくり本を読むための時間を作るコトだって、エコなのだ。
高騰しつづけるガソリン代節約のため、不必要にエンジンをふかすことを止め、頻繁に車線変更をするコトを止めるだけでも、エコ生活の始まりだと思うのだ。
ターシャさんの言いたかったことは、「毎日の生活を、キチンとする」というコトだったり「自分の生活範囲の中で、ひと手間かければイロイロなモノが節約できる」というコトだったようにも思うのだ。
憧れから現実にするための一歩は、小花柄のワンピースを着たりエプロンをすることではなく、そんな「こころ豊かにさせる生活」だったように思う。

男性諸氏も一度、ターシャテューダーさんの本を見てはいかがだろう。
そこから何かを感じるコトが、大切だと思うのだ。

こころの元気も必要だ

2008-06-21 21:05:00 | アラカルト
岩手・宮城内陸地震が発生してから、1週間が経った。
今でも、被災地では懸命な救助活動が行われ、地震によってできた「土砂ダム」決壊を防ぐ工事も進められている。

そんな中、朝日新聞のWEBサイトに「がんばろう神戸」から「がんばろう耕英」 支援始まるという記事が掲載されていた。
阪神淡路大震災から13年余りの時間を経て、地震などの被災地で活動するボランティアのカタチも様々になってきている。
新潟中越大地震での教訓も、十分に生かされ時間の経過とともに変わっていく、被災者の人たちに必要なサポート体制も、充実してきた感がある。

阪神淡路大震災での教訓は、「被災者に何をすべきなのか?」ということを、教えてくれたことのように思う。
そして新潟中越での震災は、「山間部や過疎地で必要なモノ・コトは何か?」ということだった。
都市規模も違えば、その地域の抱える問題も大きく違う。
まだまだ予断を許さない状況ではあるが、今回の震災ではそれらの教訓一つひとつが生かされている。

そのひとつとして上げたいのが、「こころを元気にする」というボランティアだ。
記事にあるような、高齢者世帯が多い地域での配車やマッサージ、マイクロバスなどを使っての被災地近隣への温泉施設などへの送迎などは、まさに「こころを元気にする」コトのような気がする。

「こころを元気にする」と言うコトで思い出したのだが、前長野県知事・田中康夫氏は阪神淡路大震災の時、お知り合いのキャビンアテンダントさん達から化粧品を調達し、被災女性、特にお年を召した方に配ったそうだ。
女性にとってお化粧という行為は、心地よい緊張感や張りを持たせ、気持ちを前向きにさせる効果があるといわれている。
それもまた「こころを元気にする」方法だろう。

輪島での震災では、「観光地の被災・復興」ということも、考えさせられた。
地震発生直後などは、論外だが復興が伝えられるようになったら、積極的に被災観光地に出かけることで、地域経済の復興の助けになると言うコトも盛んに言われた。
夏休みの計画の候補として、被災地を訪れるというコトもアリかも知れない。
何より、「元気な笑顔を運ぶ」ということも「こころを元気にさせる」方法なのだから。

被災された方々は、大変な思いをされている。
自分のできる「元気を送る方法」を、週末考えるのも素敵なことだと思うのだ。


今日は何の日-難民とソーシャルイノベーション-

2008-06-20 19:58:29 | ビジネス
毎日新聞のWEBサイトにスーダン難民:故郷へすがる子どもの瞳という、写真が掲載されている。
恥ずかしながら、今日が「難民の日」ということを知らなかった。
掲載されているスーダンの難民の子供の大きく見開いた目は、まだ見ぬ両親の国への思いと不安なのだろうか?そんなことを感じさせる写真だ。

スーダンは民族間による国内紛争が終わり、やっと落ち着きを取り戻し始めたといわれている。
世界中にはまだまだ紛争地域が多くあり、難民が増えることがあっても減ることがないという状況が続いている。
例えその紛争が終わっても、それから先には経済の復興がまっている。
その時起きるのは「富の奪い合い」だ。
結果、富を享受できる者とそうでない者が生まれ、その間の格差は広がるばかりになってしまう。
平穏な日本でさえ、経済の格差は日に日に広がるばかりで、縮まることはない。

「経済の格差」といった場合、「個人の努力の問題」ということを言う人が少なからずいる。
しかし、「経済の格差」は、その国の市場の縮小も意味していると、個人的には考えている。
その格差が広がれば広がるほど、下の人たちの生活が圧迫され、本来購入されるべきモノ(=消費されるべきもの)が購入されず、ドンドンそれらの市場が小さくなってしまう可能性があるからだ。
それがいわゆる「贅沢品」と呼ばれるモノであればさほど影響はないのだが、生活必需品となると、あらゆる企業に影響を及ぼすコトも十分考えられる。
そうやって考えると、雇用の不安や実質賃金の低下などは、企業自らが招いている国内経済の縮小策だと考えるのだ。

ならば、BRICsへの投資という考えも分かるのだが、多くの世界的企業はその先を考え、動き出しているようだ。
日経新聞のWEBサイトのコラム「BIZ」には「ソーシャルイノベーションの経営戦略」という連載企画が始まっている。
ネスレやP&G、ユニリーバなどは、途上国での企業活動を「ソーシャルイノベーション」と位置付けている。
女性や子供に対する教育をサポートしながら、自社製品に触れてもらう機会を作ると同時に、マーケティング活動にも生かしながら、より途上国にあった商品の開発や資源調達をするという方法だ。
「将来への利益のために社会貢献をする」という考えだ。

これまで途上国に対する経済支援としてあった「フェアートレード」とも違うアプローチだが、どちらにして途上国の経済的自立を目指していることには変わりはない。
「ソーシャルイノベーション」は、その企業の持っている潤沢な資本をインフラや教育などに投資をし、その国の人たちを雇用することで、より市場の拡大を図るという考えなのだ。

「結局は、儲けのため」と言う考えもあるだろう。
しかし、その利益を得るまでの時間は10年以上の時間と投資が必要なのだ。
そして難民が帰る国の多くは、このような経済支援を必要としていることもまた、事実だろう。

内向きの(=会社益のことしか頭にない)日本企業に、どれだけのことができるのだろう?

伊右衛門とIYEMON

2008-06-20 11:55:52 | アラカルト
朝日新聞のWEBサイトに日本茶カフェ サントリーが京都に開設という記事が掲載されている。

既に、サントリーの緑茶「伊右衛門」の海外販売を決めているサントリーだが、外国人観光客が多い京都で、より日本茶の魅力を知ってもらうための開設というコトのようだ。
もちろん、「伊右衛門」の茶葉を提供している福寿園が京都にあるということも、開設の理由となったのだろう。

提供される食事メニューにも、「漬物のピラフ」など京都らしさを感じさせるモノもある(「焼き魚定食」とならず「魚のオーブン焼きの朝ご飯」となるのは、お洒落さを出したいからなのか?はたまた建物の関係上、オーブンで焼かざるえないからなのか?気になるところだ)。
名前の通り、カフェというよりもサロンという趣なのだろう。

このような実験的なコトができるのも、既に国内において「伊右衛門」がブランドとして確立し、高く認知されているからだろう。
だからこそ、海外展開ということも考えられる余裕があるのだろう。

そこで気になるのは、伊藤園の動きだ。
伊藤園は、茶葉そのものから作っている。
その状況は「茶畑日記」で、公開されている。
品質という点では、「伊右衛門」は老舗の茶葉、伊藤園の「お~いお茶」は自家製茶葉というこだわりを持っている。
だが、伊藤園は「伊右衛門」のような展開をしてはいない。
あくまでも、ペットボトル(と缶)入りのお茶だけの展開だ。
サントリーの場合、飲食店展開をしているためそのノウハウがあるということもあるだろうが、カフェスタイルの飲食店であれば伊藤園でも十分アンテナショップを作ることは可能だと思うのだ。
あえて、その様な展開をしない、というのも伊藤園らしさなのかも知れない。

別に「伊右衛門」(=サントリー)だけが、日本茶文化に熱心なわけではないだろう。
追従しないメーカーやお茶屋さんに、やや驚いているのだ。
京都の有名なお茶屋さんの一つである一保堂茶舗さんは、こじんまりとしたティールームを開設し、お茶の教室も開いている。
たまたま、外国の方がくるということはあっても、あくまでも対象となるのは日本人だろう。
その意味で、今回の「IYEMON SALON」は、興味深い。

ところで・・・今の若いお嬢さん達は、自分でお茶を淹れることができるのだろうか?
薄茶(おうす)を点てるのではなく、煎茶を淹れるというコトなのだが・・・。
サロンで人が淹れたお茶を飲むよりも、そちらのほうが気になるのだが・・・やはりオバサン年齢ということだろうか?

国内自給率を上げる方法となるか?-大手スーパーの農産参入-

2008-06-19 11:39:20 | アラカルト
日経新聞のWEBサイトに、セブン&アイ、農業参入 10カ所に生産法人、国産志向に対応という記事が掲載されている。
この記事を読んで思い出したのだが、今月に入ってから「顔の見える食品」という、イトーヨーカ堂のテレビCMを頻繁に見るようになったことだ。
料理家栗原はるみさんが登場するテレビCMと言えば、女性であれば大体分かると思う。
このCMには、イトーヨーカ堂の農業参入という考えがあってのことだったようだ。
一般的に言われる「契約農家」という関係ではなく、農業に直接参入することでより「安心・安全」をアピールしながら、他のスーパーとの差別化を図るという考えがより鮮明になった。

今回のイトーヨーカ堂の農業参入の前に、イオングループが米生産参入をしていることを、拙ブログでもエントリしてきた。
今や、大手スーパーの大きな投資先は、農業であると考えるべきなのかも知れない。
もちろん、背景にあるのはこの冬に起きた「中国産毒入り餃子」の問題がある。
今だに解決の糸口どころか、何も進展がない(ように見える)現状や、次々と発覚する「産地偽装」など、生活者の不安を煽るようなコトばかりが起きている。
その様な社会環境の中で、「いかに生活者(=消費者)に、安心感を与え、ライバル企業との差別化を図るのか?」となると、当然の動きなのかも知れない。

PB(プライベートブランド)の、冷凍食品などでは原産国の表示とともに生産工場地を店頭で知らせることなどが、当たり前になりつつある。
それよりももう一歩踏み込んだモノが、今回のような農業事業への参入ということになるのだ。

これまで「契約農家から食品」というのは、いわゆる「オーガニック食品」を扱うトコロに限られていた。
もちろん、生協などもその一つだったはずなのだが、先の「中国産毒入り餃子」の一件で、その信頼は大きく揺らいでしまった。

大手スーパーが、農業事業に参入しなかったのには「安定的供給」という点で、難しいと考えてきたからだろう。
全国同じような食品を並べるということになると、自然相手の農業(畜産を含む)ではなかなか難しかったと思われるからだ。
しかし、生活者の意識も「地元の旬を、(安く)美味しくいただく」という変化が生まれたことで、「全国均一」である必要がないと判断したという点もあるのではないだろうか?
この「地元の旬を(安く)美味しくいただく」という意識変化は、大手スーパーの農業事業参入だけではなく、もしかしたら日本の下がりつづける食品自給率を上げるチャンスとなるかもしれない。
その意味で、今回のセブン&アイHDの農業事業への参入は、政府の補助金型農政よりも効果的な気がするのだ。



資生堂とザ・ギンザ

2008-06-18 21:04:16 | ビジネス
Yahooのトピックスに、資生堂がブティック事業から撤退、08年度中に18店舗を閉鎖へという記事があった。

拙ブログにきてくださる男性諸氏の中には、「資生堂がブティック事業を展開している」ということを、知っている方がどのくらいいるのか分からない。
資生堂が提供しているテレビ番組の、視聴者プレゼントで提供されている「ザ・ギンザ」の商品が、そのブティックで扱っている商品だ。
そのブランド名にしても、いかにも資生堂らしい気がするのだが、どうだろう?
そして、若い女性だけではなく幅広い人気のある衣料・雑貨のお店でもある。

その資生堂が全国展開している、「ザ・ギンザ」21店舗を、一挙に18店舗閉店するというのだ。
相当、大胆な事業の再編計画のような気がする。
そして、今日新聞各紙には5月の百貨店の売上減という記事が、掲載されている。
百貨店の売上の減少は、止まっていない。
特に衣料関係は減少は、止まらない。
気温などに左右されやすいとは言うが、衣料や高級雑貨、アクセサリーといった商品への購買意欲が、減退しつつあると考えたほうが良いだろう。
そのことを裏付けるように、先日、有名ブランド・フェラガモが値下げを発表している。
フェラガモ創業初めての値下げに踏み切った背景には、日本人顧客離れを少しでも止めるという考えがあったからだと、言われている。
今や有名ブランドであっても、そのブランド力だけではモノは売れなくなってきているということなのだろう。

その意味で、今回の資生堂の判断は「ザ・ギンザ」で培った「感性」を、本業である化粧品という分野に集中することで、もう一度「ザ・ギンザ」の展開への道筋を残すという判断のように思えるのだ。

一つ疑問なことがある。
それは、この件についてロイターと一部夕刊紙が報じている以外、日本の新聞各社が報じていないということだ。
日本の化粧品のみならず、日本女性の美感覚のリーダー企業としての資生堂の事業縮小というニュースは、日本よりも海外のほうが関心が高いということなのだろうか?


日本型MOTTAINAIバイオ燃料の開発-おからバイオ燃料-

2008-06-18 11:35:40 | ビジネス
穀物相場の値上がり原因については、改めて書く必要もないくらい多くの方が知っていて、「食べ物をバイオ燃料にする」コト自体に、疑問を呈する論調が多くなってきた。
そんな中、日本には日本向きの「バイオ燃料」があるのでは?と、多くの方が指摘しているモノのひとつに「おから」がある。

現在「おから」は、産業廃棄物として処理されている。
少量であれば、飼料ともなるのだが昨今の畜産業の低迷や作りだされる量の多さなどにより、その多くは産業廃棄物として処理されているのが現状だ。
そんな中「やはり」というか、「おからでバイオ燃料」という研究をしているトコロが、あったのだ。
今日の静岡新聞のWEBサイトに掲載されている、「おからバイオ燃料」走行試験開始という内容の記事がそれだ。

静岡大学などとの産学協同事業のようなのだが、もし軌道にのれば国内ビジネスとしても大いに注目されるのではないだろうか?
何より産業廃棄物が、バイオ燃料として使われるのであれば、それまで業者が負担していた廃棄料は、一転して「売り物」に変わる。
もちろん、作られたバイオ燃料も取引の対象となるのだから、「ゴミが宝の山」に変わる可能性も高い。

他にも、森林保全を目的である間伐材なども、バイオ燃料転換への研究が全国各地でされている。
人の手を入れない森林は、荒れ放題になり森林そのものを衰退させてしまうという指摘は、何度もされてきた。
しかし間伐材では、ビジネスにならず、結果荒れ放題になってしまっているのだ。
それらもまた、バイオ燃料の資材となり、安定的な価格で取引がされるようになれば、日本の森林事業の再生は、やりやすくなるはずだ。

本来「バイオ燃料」とは、その様なモノでなくてはいけなかったはずなのだ。
それが、人の口に入る前に「バイオ燃料」として作られ、その「バイオ燃料への転換」という期待感だけで、実勢価格とは大きくかけ離れた金額で取引されるのは、やはり異常のような気がする。
「おからバイオ燃料」は、その点においても期待ができるのではないだろうか?

もし、政府が本気なら減反で野ざらしにされている田んぼでの、大豆や麦の作付けを単に奨励するだけではなく、国内自給率を高めつつ同時にバイオ燃料生産にも取り組めるという、一石二鳥以上の効果も期待できるのではないだろうか?
そして「おからバイオ燃料」は、「日本型MOTTAINAIバイオ燃料」の典型だとも思えるのだ。

エコ替えよりも、節電・節水-庶民の地球温暖化対策-

2008-06-17 22:39:05 | ライフスタイル
経団連が、「エコ商品への買い替え推進」をしている。

以前、拙ブログでトヨタの「エコ替え」CMについてエントリさせていただいたが、やはり経団連としては、「いかに、消費刺激策をするのか?」ということのほうが、気になっているようだ。
現在の御手洗さんの前は、トヨタの奥田さんだったのだから、当然といえば当然かもしれないのだが・・・。

今の生活者としては「エコ替え」よりも、「節電・節水・節ガス」を呼びかけたほうが、共感性が高いだろう。
実際、今年上半期のヒット商品は「家計防衛商品」が、上位にランクされている。
品質が代わらなければ、PB(プライベートブランド)で十分。
体のスリム化と共に、家計のスリム化も急務というのが、今の日本の平均的家庭の家計実態なのではないだろうか?

そこに「エコ替え」を勧めるというのは、経済界(経団連)のエゴというか都合なのではないだろうか?
経済界が「エコ替え」を勧めるのであれば、ここの家庭にはそれなりの資金調達(=給与)が必要なはずだ。
「原資となる資金調達もままならないのに、設備投資をするわけにはいかない。だから、給与も我慢してくれ!!」という、意味も含めて、経営側の人たちが散々言ってきたことだ。
景気対策もない状況で、「モノを買ってほしい」というのでは、都合が良すぎるのではないだろうか?

今の生活者の気持ちとしては「使えるものは、丁寧に使い倒し、日ごろの生活は節電・節水・節ガスに心がけ、外食も頻度を減らし、切り詰めれるトコロは、徹底的に切り詰め、できれば貯蓄にまわしたい」というトコロなのではないだろうか?
おそらく先週、大手企業のボーナスが支給されたことを受け、このような発言になったのかもしれないのだが、生活者の気持ちがわかっていないようだ。

追記:
もちろん生活者の多くは、地球温暖化にも関心が高い。
だからこそ、「エコ替え」よりも「節電、節水、節ガス」などで、家計にも優しい地球温暖化対策のほうを選ぶのでは?と考えるのだ。