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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

景気のテコ入れ策は、ないのかな?

2008-06-12 23:02:44 | アラカルト
雪印が、一部乳製品の再値上げを発表している。
このところの原油高や穀物高で、物価上昇はとどまるところを知らず、と言う状況が続いている。
当然のことながら、これらの物価上昇は家計を直撃しているのだが、政府からの「景気テコ入れ策」と言うモノが、まったく聞こえてこない。
「まったく」と言うと、昨日発表のあった「畜産農家に対する援助策」があっただろう!と言うことになるのかもしれないが、生活者がその恩恵に与れるのかは大いに疑問なトコロ。

反面、今後の医療・年金制度の維持のための増税論議は、盛んに行われている。
まるで「消費税率アップもやむ負えない」と言う、雰囲気作りをしているかのようだ。
しかし、その消費税そのものについて「本当に今の税でイイの?」と言う、論議はされていない。
論議されているのは「税率アップ」だけで、その内容についての見直しはされていないのだ。

小学生の頃、日本の税は「累進課税」と言う「収入の多い人には、いっぱい税金を払ってもらい、収入の少ない人には、少し払ってもらう税制」だと、習った記憶がある。
確かに所得税などは「累進課税」となっているのだが、直接税となる「消費税」については、趣味性の高い高額品を買っても、毎日食べる食料品を買っても一律の税率が掛かるようになっている。
趣味性の高い高額品を、毎日のように買う高所得者はまずいないだろう。
しかし食料品を毎日買う低所得者は、数限りなくいる。
誰でも分かるように、今の消費税のあり方では低所得者ほど、税負担を重く感じるような内容になっているのだ。
物価そのものが上がれば、当然掛かる税金額も増えてくる。
生活者の収入源である、所得が大幅に増えない今の状況では、「切り詰めるところは切り詰めて」と言う考えになるのは、当然のことだろう。
その位、生活者の多くは、切羽詰った状況にあるのだ。

それが「景気の後退感」へと繋がっているはずなのだが、政府からは「景気対策」と言った類のことばが、一向に聞かれない。
「後期高齢者医療制度」と「年金」と言う問題を抱えていて、それどころではない!のかもしれないが、この2つも実は税金との関わりが大きい。
なぜなら、上述したとおり「消費税率アップ」の大きな理由が、この2つの社会保障制度によるものだからだ。

景気対策としての「消費税の見直し」と、社会保障制度のための税収アップは、決して違う話ではないのだ。
だからこそ、今キチンと話し合って欲しいのに、政治は何もやらず。
経済界も、何も要求せず。
日本の経済と政治は、どうしてしまったのだろうか?

福田さんも経済界も「生活者の創意工夫で、この難局を乗り切って欲しい」などと、悠長なコトを言っている場合ではないのに・・・。
現実がわからないのか?





スポーツイベントと企業

2008-06-12 18:16:14 | スポーツ
話題になっていた、オリンピックで水泳日本代表選手が着用する水着について、「選手の意思を尊重」と言うコトで、スピード社の水着着用が認められた。
この件では、様々なコトが問題になった。
ある特定の水着を着ることで、記録更新が期待できるのだから0.01と言う僅かな差が、選手たちにとっては大きな問題だっただろう。

だが、この問題は「選手の意思を尊重」で目出度し!目出度し!と言う、訳でもなさそうなのだ。
スポーツライターの増島みどりさんのHP「ザ・スタジアム」に「技術ドーピング」と言うコラムが、掲載されている。

増島さんが指摘しているのは、「FINA(国際水連)とスピード社」との、長期的独占契約であり、それまで「開発禁止」されていた、「浮力などを水着に与える」などの開発を突然解禁したことだ。
何度もテレビ映像で見たと言う方が多いと思われる、北島選手の「空を切るキック」。
これは、浮力が大きいために体全体が浮くため、キックが空を切ってしまうのだ。
北島選手ほどのレベルになれば、「空キック」のような非効率的で、無駄な動きはしないだろう。
それほど水着なのだ。
となると、本来あるべきオリンピックの姿とは、まったく違うモノとなってしまう。
だからこそ「開発禁止」と、されていたのではないだろうか?

もう一つ問題となるのは、FINAとの長期独占契約だ。
スポーツ連盟とスポーツメーカーとの関係は、FIFAとアディダス社のように密接な関係にある。
今回の「水着問題」でも、一番の問題となったのは日本水泳連盟と国内スポーツメーカー3社との、契約があったからだ。
国内スポーツメーカー3社は、国内の競技会や国際試合を含む大会で様々なサポートをしてきた。
だが、そこには暗黙の紳士協定のようなモノがあり、「選手の能力を引き出すための技術開発」と言う不文律があったのではないだろうか?
FIFAとアディダス社との関係も、同じだ。
スポーツの魅力を最大限引き出すための、技術開発はあっても選手の能力以上のモノを提供するような関係はない。
それを、FINAが長期独占契約をしている1社にだけ承認し、推し進めてしまったようにも思われるのだ。
これでは「FINA承認のドーピング」と指摘されても、仕方のないことだ。

オリンピックと言う世界的なスポーツイベントによって、水着だけではなく様々なスポーツ用品の技術開発がされ、スポーツとは関係のない生活を送っている私たちも恩恵を受ける場合は多い。
だが、選手の持っている能力以上のモノを引き出す技術と言うのであれば、カタチを変えた薬物ドーピングと同じになってしまう。
この「レーサーレーザー」は、オリンピックに出場するようなトップアスリートを対象とするのではなく、体にハンディキャップのある人たちが楽しめる水着と言うアプローチが必要だったのではないだろうか?
「水泳と言うスポーツを、より多くの人たちに提供する」と言う、使命はどのスポーツメーカーにもあるのだから。