日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ターシャさんという生活スタイル

2008-06-22 08:20:25 | ライフスタイル
一部の女性の間で、とても人気のあった米国の絵本作家、ターシャ・テューダーさんが亡くなっている。
拙ブログにきてくださる方は、男性諸氏が多いと思われるので「ターシャ・テューダーさんて、誰??????」状態だと思っている。
ここ数年流行している「スローライフ」や「LOHAS」的生活の体現者というと、分かっていただけるだろうか?

ここ2、3年の間で、書店のガーデニングなどのコーナーで、著書を良く見かけるようになり「赤毛のアンのような生活をしている人」という印象をもっていた。 
そんな私の印象よりも、はるかに人気がある存在だったようで、イロイロな雑誌などでも特集が組まれていた。
ヴィトンのバッグを持った女性が、ターシャさんの本を熱心に読んでいるという姿(=ブランド信仰の象徴と否ブランドの象徴が一人の中に混在している)は、日本ならではの光景のように思えた。

というのも、ターシャさんの日常生活を写真集化した本などを見てみると、日が昇る頃に起き、手作りの服を着て、自家農園の手入れをし、農園で収穫した果物でジャムを作る。その間に自家農園の風景を描き、絵本を書くというようなライフスタイルは、素敵でエコロジーなコトとしては分かってもそれを実践するには難しい。
結局のところ、ターシャさんが着ているような小花柄のフラットカラーのワンピースやエプロンを買い求め(「自分で作らない」というのがポイント)、猫の額ほどの庭かプランター・ガーデニングを楽しむという、ターシャさん的生活を味わった気分に浸るというのが精一杯なのだ。

本当のターシャさんの魅力というのは、そんなコトではなく「(肩の力が抜けた)自然と上手に付き合う」という姿だったのではないだろうか?
「エコ」だとか「自然環境保護」という言葉を免罪符のようにしながら、暴力的に自分たちの主張を繰り広げるコトに、違和感を感じた女性たちにとって「昔ながらの丁寧な生活」に憧れていたのだろう(あくまでも「赤毛のアン」的というのがポイント)。

何も「エコ替え」をする必要はない。
節電をするために、チョッと早起きをし明るい間に仕事を片付け、テレビを付けずにゆっくり本を読むための時間を作るコトだって、エコなのだ。
高騰しつづけるガソリン代節約のため、不必要にエンジンをふかすことを止め、頻繁に車線変更をするコトを止めるだけでも、エコ生活の始まりだと思うのだ。
ターシャさんの言いたかったことは、「毎日の生活を、キチンとする」というコトだったり「自分の生活範囲の中で、ひと手間かければイロイロなモノが節約できる」というコトだったようにも思うのだ。
憧れから現実にするための一歩は、小花柄のワンピースを着たりエプロンをすることではなく、そんな「こころ豊かにさせる生活」だったように思う。

男性諸氏も一度、ターシャテューダーさんの本を見てはいかがだろう。
そこから何かを感じるコトが、大切だと思うのだ。