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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

資生堂とザ・ギンザ

2008-06-18 21:04:16 | ビジネス
Yahooのトピックスに、資生堂がブティック事業から撤退、08年度中に18店舗を閉鎖へという記事があった。

拙ブログにきてくださる男性諸氏の中には、「資生堂がブティック事業を展開している」ということを、知っている方がどのくらいいるのか分からない。
資生堂が提供しているテレビ番組の、視聴者プレゼントで提供されている「ザ・ギンザ」の商品が、そのブティックで扱っている商品だ。
そのブランド名にしても、いかにも資生堂らしい気がするのだが、どうだろう?
そして、若い女性だけではなく幅広い人気のある衣料・雑貨のお店でもある。

その資生堂が全国展開している、「ザ・ギンザ」21店舗を、一挙に18店舗閉店するというのだ。
相当、大胆な事業の再編計画のような気がする。
そして、今日新聞各紙には5月の百貨店の売上減という記事が、掲載されている。
百貨店の売上の減少は、止まっていない。
特に衣料関係は減少は、止まらない。
気温などに左右されやすいとは言うが、衣料や高級雑貨、アクセサリーといった商品への購買意欲が、減退しつつあると考えたほうが良いだろう。
そのことを裏付けるように、先日、有名ブランド・フェラガモが値下げを発表している。
フェラガモ創業初めての値下げに踏み切った背景には、日本人顧客離れを少しでも止めるという考えがあったからだと、言われている。
今や有名ブランドであっても、そのブランド力だけではモノは売れなくなってきているということなのだろう。

その意味で、今回の資生堂の判断は「ザ・ギンザ」で培った「感性」を、本業である化粧品という分野に集中することで、もう一度「ザ・ギンザ」の展開への道筋を残すという判断のように思えるのだ。

一つ疑問なことがある。
それは、この件についてロイターと一部夕刊紙が報じている以外、日本の新聞各社が報じていないということだ。
日本の化粧品のみならず、日本女性の美感覚のリーダー企業としての資生堂の事業縮小というニュースは、日本よりも海外のほうが関心が高いということなのだろうか?


日本型MOTTAINAIバイオ燃料の開発-おからバイオ燃料-

2008-06-18 11:35:40 | ビジネス
穀物相場の値上がり原因については、改めて書く必要もないくらい多くの方が知っていて、「食べ物をバイオ燃料にする」コト自体に、疑問を呈する論調が多くなってきた。
そんな中、日本には日本向きの「バイオ燃料」があるのでは?と、多くの方が指摘しているモノのひとつに「おから」がある。

現在「おから」は、産業廃棄物として処理されている。
少量であれば、飼料ともなるのだが昨今の畜産業の低迷や作りだされる量の多さなどにより、その多くは産業廃棄物として処理されているのが現状だ。
そんな中「やはり」というか、「おからでバイオ燃料」という研究をしているトコロが、あったのだ。
今日の静岡新聞のWEBサイトに掲載されている、「おからバイオ燃料」走行試験開始という内容の記事がそれだ。

静岡大学などとの産学協同事業のようなのだが、もし軌道にのれば国内ビジネスとしても大いに注目されるのではないだろうか?
何より産業廃棄物が、バイオ燃料として使われるのであれば、それまで業者が負担していた廃棄料は、一転して「売り物」に変わる。
もちろん、作られたバイオ燃料も取引の対象となるのだから、「ゴミが宝の山」に変わる可能性も高い。

他にも、森林保全を目的である間伐材なども、バイオ燃料転換への研究が全国各地でされている。
人の手を入れない森林は、荒れ放題になり森林そのものを衰退させてしまうという指摘は、何度もされてきた。
しかし間伐材では、ビジネスにならず、結果荒れ放題になってしまっているのだ。
それらもまた、バイオ燃料の資材となり、安定的な価格で取引がされるようになれば、日本の森林事業の再生は、やりやすくなるはずだ。

本来「バイオ燃料」とは、その様なモノでなくてはいけなかったはずなのだ。
それが、人の口に入る前に「バイオ燃料」として作られ、その「バイオ燃料への転換」という期待感だけで、実勢価格とは大きくかけ離れた金額で取引されるのは、やはり異常のような気がする。
「おからバイオ燃料」は、その点においても期待ができるのではないだろうか?

もし、政府が本気なら減反で野ざらしにされている田んぼでの、大豆や麦の作付けを単に奨励するだけではなく、国内自給率を高めつつ同時にバイオ燃料生産にも取り組めるという、一石二鳥以上の効果も期待できるのではないだろうか?
そして「おからバイオ燃料」は、「日本型MOTTAINAIバイオ燃料」の典型だとも思えるのだ。